オープン価格 【オープンプライス】 open price

概要

オープン価格(オープンプライス)とは、製品のメーカーなどが希望小売価格を定めずに流通させる方式。1980年代に家電製品などから広まり、現在は日用品や加工食品など様々な市場に普及している。

製品の製造元や販売元、輸入元などが卸売業者や販売店に商品を卸す際に希望価格を提示しない方式で、小売店では消費者に販売価格を知らせる際「メーカー希望小売価格の○%引き」といった表現をうことはできない。

販売価格が安定しない製品カテゴリーでは発売時点から希望価格を設定しない場合もあるが、当初は設定されていても、生産が終了して在庫のみになったり、新モデルが発売され「型落ち」になるなど、価格が継続的に下落していく局面に入った場合などに途中で廃止する場合もある。

メーカーにとっては、店頭での現在の売値について「希望小売価格の何割引き」といった表記をされず、競合他社と値引率の比較もされないためブランドイメージを守りやすいが、卸や小売と交渉する際に「希望小売価格の何割」という形で卸売価格を提示できない。

小売店にとっては、希望小売価格に縛られず自社や市場の状況などに応じて自由に価格を設定でき、人気や希少性の高い商品に強気の高値を設定したり、逆にセールの目玉商品を利益度外視で安売りするなどの施策も取りやすいが、基準となる価格が無いため消費者に分かりやすく安さを訴えるのが難しい。

消費者にとっては、価格競争が激しく希望小売価格で販売する店がほとんど存在しないような製品カテゴリーで、実体のない「値引き」に惑わされずに済むが、多数の販売店をまわって売価を直接調べて比較しなければ「相場」を知ることができない。また、最終的な売値だけを見ても製品間やメーカー間の比較がしにくい(例えば、他社の同クラスの製品がどれなのか分かりにくい)。

(2021.11.25更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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