IPアドレス
IPv4アドレス
32ビットの値。232(42億9496万7296)個のアドレスがある。8ビットずつ“.”(ドット、ピリオド)で区切り、0から255までの十進数を4つ連ねて表記することが多い。(ドット付き十進表記)(例) 192.168.0.1 → 2進数表記では 11000000.10101000.00000000.00000001
▼ アドレスクラス
クラス | アドレス範囲 | 2進表記の先頭 | 用途・ネットワーク部の範囲 | 1ネットワークの 最大アドレス数* |
---|---|---|---|---|
クラスA | 0.0.0.0~127.255.255.255 | 0で始まる | 先頭8ビットがネットワーク部 | 16,777,216 |
クラスB | 128.0.0.0~191.255.255.255 | 10で始まる | 先頭16ビットがネットワーク部 | 65,536 |
クラスC | 192.0.0.0~223.255.255.255 | 110で始まる | 先頭24ビットがネットワーク部 | 256 |
クラスD | 224.0.0.0~239.255.255.255 | 1110で始まる | IPマルチキャスト用 | - |
クラスE | 240.0.0.0~255.255.255.255 | 1111で始まる | 予約済み・未使用 | - |
* ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスがあるため、一般的に接続可能ホスト数はこの値から2を引いた値。
▼ CIDR表記と可変長サブネットマスク(VLSM)
アドレスプレフィックス(ネットワーク部)を表す範囲を先頭からのビット数で表記する。「/16」なら先頭から16ビットがネットワーク部、下位16ビットがホスト部。CIDR表記 | アドレス範囲 | サブネットマスク | アドレス数* |
---|---|---|---|
w.x.y.z/32 | w.x.y.zのみ | 255.255.255.255 (すべてのビットが1) | 1 |
w.x.y.z/31 | w.x.y.z~w.x.y.z+1 | 255.255.255.254 (上位31ビットが1) | 2 |
w.x.y.z/30 | w.x.y.z~w.x.y.z+3 | 255.255.255.252 (上位30ビットが1) | 4 |
w.x.y.z/29 | w.x.y.z~w.x.y.z+7 | 255.255.255.248 (上位29ビットが1) | 8 |
w.x.y.z/28 | w.x.y.z~w.x.y.z+15 | 255.255.255.240 (上位28ビットが1) | 16 |
w.x.y.z/27 | w.x.y.z~w.x.y.z+31 | 255.255.255.224 (上位27ビットが1) | 32 |
w.x.y.z/26 | w.x.y.z~w.x.y.z+63 | 255.255.255.192 (上位26ビットが1) | 64 |
w.x.y.z/25 | w.x.y.z~w.x.y.z+127 | 255.255.255.128 (上位25ビットが1) | 128 |
w.x.y.0/24 | w.x.y.0~w.x.y.255 | 255.255.255.0 (上位24ビットが1) | 256 |
w.x.y.0/23 | w.x.y.0~w.x.y+1.255 | 255.255.254.0 (上位23ビットが1) | 512 |
w.x.y.0/22 | w.x.y.0~w.x.y+3.255 | 255.255.252.0 (上位22ビットが1) | 1,024 |
w.x.y.0/21 | w.x.y.0~w.x.y+7.255 | 255.255.248.0 (上位21ビットが1) | 2,048 |
w.x.y.0/20 | w.x.y.0~w.x.y+15.255 | 255.255.240.0 (上位20ビットが1) | 4,096 |
w.x.y.0/19 | w.x.y.0~w.x.y+31.255 | 255.255.224.0 (上位19ビットが1) | 8,192 |
w.x.y.0/18 | w.x.y.0~w.x.y+63.255 | 255.255.192.0 (上位18ビットが1) | 16,384 |
w.x.y.0/17 | w.x.y.0~w.x.y+127.255 | 255.255.128.0 (上位17ビットが1) | 32,768 |
w.x.0.0/16 | w.x.0.0~w.x.255.255 | 255.255.0.0 (上位16ビットが1) | 65,536 |
w.x.0.0/15 | w.x.0.0~w.x+1.255.255 | 255.254.0.0 (上位15ビットが1) | 131,072 |
w.x.0.0/14 | w.x.0.0~w.x+3.255.255 | 255.252.0.0 (上位14ビットが1) | 262,144 |
w.x.0.0/13 | w.x.0.0~w.x+7.255.255 | 255.248.0.0 (上位13ビットが1) | 524,288 |
w.x.0.0/12 | w.x.0.0~w.x+15.255.255 | 255.240.0.0 (上位12ビットが1) | 1,048,576 |
w.x.0.0/11 | w.x.0.0~w.x+31.255.255 | 255.224.0.0 (上位11ビットが1) | 2,097,152 |
w.x.0.0/10 | w.x.0.0~w.x+63.255.255 | 255.192.0.0 (上位10ビットが1) | 4,194,304 |
w.x.0.0/9 | w.x.0.0~w.x+127.255.255 | 255.128.0.0 (上位9ビットが1) | 8,388,608 |
w.0.0.0/8 | w.0.0.0~w.255.255.255 | 255.0.0.0 (上位8ビットが1) | 16,777,216 |
w.0.0.0/7 | w.0.0.0~w+1.255.255.255 | 254.0.0.0 (上位7ビットが1) | 33,554,432 |
w.0.0.0/6 | w.0.0.0~w+3.255.255.255 | 252.0.0.0 (上位6ビットが1) | 67,108,864 |
w.0.0.0/5 | w.0.0.0~w+7.255.255.255 | 248.0.0.0 (上位5ビットが1) | 134,217,728 |
w.0.0.0/4 | w.0.0.0~w+15.255.255.255 | 240.0.0.0 (上位4ビットが1) | 268,435,456 |
w.0.0.0/3 | w.0.0.0~w+31.255.255.255 | 224.0.0.0 (上位3ビットが1) | 536,870,912 |
w.0.0.0/2 | w.0.0.0~w+63.255.255.255 | 192.0.0.0 (上位2ビットが1) | 1,073,741,824 |
w.0.0.0/1 | w.0.0.0~w+127.255.255.255 | 128.0.0.0 (上位1ビットが1) | 2,147,483,648 |
0.0.0.0/0 | 0.0.0.0~255.255.255.255 | 0.0.0.0 (すべてのビットが0) | 4,294,967,296 |
* /30以下では、ブロードキャストアドレスがあるため、一般的に接続可能ホスト数はこの値から2を引いた値。
▼ 主な予約済みアドレスとプライベートネットワーク用アドレス
特定の用途に用いることが決まっていてグローバルアドレスとして使用することができないアドレス。アドレス範囲 | 用途 |
---|---|
0.0.0.0~0.255.255.255 | デフォルトルート、自分自身など |
10.0.0.0~10.255.255.255 | プライベートアドレス用(クラスAネットワーク×1) |
127.0.0.0~127.255.255.255 | ループバックアドレス、同一ホスト上のプロセス間通信など |
169.254.0.0~169.254.255.255 | リンクローカルアドレス(自らの所属するネットワークセグメントのみ通信可能) |
172.16.0.0~172.31.255.255 | プライベートアドレス用(クラスBネットワーク×16) |
192.88.99.0~192.88.99.255 | 6to4方式によるIPv6とIPv4の変換用 |
192.0.2.0~192.0.2.255 198.51.100.0~198.51.100.255 203.0.113.0~203.0.113.255 | 例示・テスト用 |
192.168.0.0~192.168.255.255 | プライベートアドレス用(クラスCネットワーク×256) |
192.168.0.0~192.168.255.255 | プライベートアドレス用(クラスCネットワーク×256) |
248.0.0.0~255.255.255.255 | 実験用 |
IPv6アドレス
128ビットの値。2128(340澗2823溝6692穣0938𥝱4634垓6337京4607兆4317億6821万1456)個のアドレスがある。▼ 表記の仕方
- 16ビットずつ“:”(コロン)で区切り、0からffffまでの16進数を8つ連ねて表記する
- 十進数で10から15を表す16進数の英字(abcdef)は必ず小文字で表記
- 先頭の0は省略(:0012:→:12:)
- 「:0000:」が1つ以上連続する区間は一カ所だけ「::」で置き換える。複数ある場合は最も長い区間、同じ長さが複数ある場合は先頭に最も近い区間を置き換える
(例) 2001:0db8:0000:0000:0000:0123:0000:00ab → 2001:db8::123:0:ab - サブネットマスクはIPv4のCIDRと同じく「/ビット数」の形式で表記
(例) 2001:db8::123:0:ab/32 → 2001:db8 がネットワーク、0:0:0:123:0:ab がホスト - リンクローカルアドレスではアドレスの末尾に%に続けてインターフェース識別子を記述する
(例) fe80::1234:5678%eth0 (UNIXなど) fe80::1234:5678%1 (Windowsなど)
▼ アドレスの種類
ユニキャストアドレス | 一つのノードで使用する。インターフェース(LANポートなど)単位で設定する |
---|---|
エニーキャストアドレス | 複数のノードで共有される。このアドレスに送信したパケットは最も近いノードにのみ届く |
マルチキャストアドレス | 複数のノードで共有される。このアドレスに送信したパケットは複製されてすべてのノードに届く |
▼ ユニキャストアドレスのスコープ(有効範囲)の種類
マルチキャストアドレスの場合にはこれらの他にインターフェースローカル、管理ローカル、サイトローカル、組織ローカルがある。種類 | 予約アドレス領域 | 説明 |
---|---|---|
リンクローカルアドレス | fe80:0:0:0:で始まる (fe80::/64) | 自らの所属するネットワークセグメントのみ通信可能。IPv4の169.254.xxx.xxxに相当。 |
ユニークローカルアドレス | fcまたはfdで始まる (fc00::/8、fd00::/8) | プライベートネットワーク用*。続く40ビットは組織によって異なるランダムな識別子。通常はfd00::/8を使う。fc00::/8は将来のために予約されており未使用。 |
グローバルアドレス | - | 全世界のネットワークで一意なアドレス。NICやプロバイダから割り当てを受けて使用する。 |
▼ 特殊なアドレス
種類 | アドレス | 用途など |
---|---|---|
未指定アドレス | 0::0(すべてのビットが0) | どのノードにも割り当てられていないアドレス。初期化時の送信元アドレスなどに使用 |
ループバックアドレス | 0::1(末尾が1で残りが0) | 常に自分自身を表す特殊なアドレス。IPv4の127.xxx.xxx.xxxに相当 |
マルチキャストアドレス | ffで始まる(ff00::/8) | マルチキャスト用に予約されたアドレス領域 |
オールノードマルチキャスト | ff02::1 | 同じセグメント内のすべてのノードに送信される。IPv4のブロードキャストアドレスに相当 |
文書作成用アドレス | 2001:db8:で始まる | 技術文書の例示などで用いるアドレス。実際には割り当てられず使用しない |