L2F 【Layer 2 Forwarding】
概要
L2F(Layer 2 Forwarding)とは、ネットワーク上のある機器から任意のアドレスの別の機器まで仮想的な伝送路を構築し、データを送受信するためのプロトコル(通信規約)の一つ。ネットワーク上に保護された抜け道(トンネル)を作り出し、VPN(仮想専用ネットワーク)を構築するのに用いられる。リンク層(第2層/データリンク層)のプロトコルであるPPP(Point-to-Point Protocol)のフレームをカプセル化し、IPネットワークを通過させることができる。接続確立のための制御情報の交換にはUDP(User Datagram Protocol)によりデータを伝送し、標準では1701番ポートを使用する。
L2F自体は暗号化のための仕組みを持たないため、インターネットなど信用できない経路を通じてトンネルを構築する際には、内部を通過するプロトコル側で必要に応じて何らかの対策を講じる必要がある。
L2Fは米シスコシステムズ(Cisco Systems)社が開発し、1998年にIETFによってRFC 2341として標準化された。米マイクロソフト(Microsoft)社などが推進していた同じ用途のプロトコル「PPTP」(Point-to-Point Tunneling Protocol)と統合され、1999年に「L2TP」(Layer 2 Tunneling Protocol)が標準化(RFC 2661)された。
(2023.7.4更新)