GNSS 【Global Navigation Satellite System】
概要
GNSS(Global Navigation Satellite System)とは、人工衛星を利用して自分が地球上のどこにいるのかを正確に割り出すシステム。米国のGPSや欧州のGalileoなどの衛星測位システムの総称。基本的な原理は各システムで共通しており、地球を周回する複数(全球の場合は数十機と多数になる)の人工衛星に正確に時刻を刻む原子時計を搭載し、現在位置と現在時刻を常に電波で発信し続ける。
受信機は現在近くを飛んでいる複数の衛星から信号を受信し、発信から受信までにかかった時間から各衛星までの距離を求め、現在位置を特定する。3つの衛星から信号を受信できれば地表面における緯度と経度(2次元測位)を、4つなら高度も含めた3次元的な位置(3次元測位)を算出できる。
全地球をカバーするGNSSとしては、米国の「GPS」(Global Positioning System)、欧州の「Galileo」(ガリレオ)、ロシアの「GLONASS」(ГЛОНАСС/グロナス)、中国の「北斗衛星導航系統」(BDS:BeiDou navigation System)がある。GPSが最初に実用化されたためこれを総称のように用いることもある。
日本の「準天頂衛星システム」(QZSS)やインドの「NavIC」(Navigation Indian Constellation/旧IRNSS)など少数の衛星で特定の地域のみをカバーする地域衛星系(regional constellation)や、GPSなど全球型システムを補完・補強して精度を向上する衛星航法補強システム(SBAS:Satellite-Based Augmentation System)も広義にはGNSSの一種とされる。
(2021.11.12更新)