3Dメガネ 【3D glass】 3Dグラス / 3Dゴーグル

概要

3Dメガネ(3D glass)とは、特殊な加工が施された画像や映像を見ると立体視することができるメガネ型の器具。専用の画像・映像および表示・映写機器とセットで用いる。

人間の脳は右目と左目に映る光景の僅かな角度の違い(視差)から物体の奥行きを知覚し、立体的な像として捉えている。この仕組みを利用して、右目と左目にそれぞれ僅かに異なる角度から写した像を見せることで、平面の画像や映像を立体的に見せることができる(ステレオグラフィック)。

古くから、左右にそれぞれ赤と青のフィルムを貼った3Dメガネを用いるアナグリフ方式の立体視がよく知られていた。赤の像と青の像を重ねて映し出すと、フィルムの色と同じ像はカットされ異なる色の像のみが見えることから、左右に異なる像を見せることができる。この方式では単色の像しか扱うことができない。

現代ではより高度な表示方式と3Dメガネを組み合わせた立体視システムが実用化されている。一つは両目の眼前にそれぞれ小さな液晶ディスプレイを備えたゴーグル型の装置を着用し、両目にそれぞれ専用の映像を見せる「ステレオペア方式」である。VRゴーグルなどがこの方式を用いる。

もう一つはアナグリフ方式と同じように3Dメガネの側で左右の像を分離する方式で、映画館など多人数が同時に画面を見る場合はこちらを利用する。光の偏光(振動の方向)を利用し、左右に向きが異なる偏光フィルタを用いる方式を「偏光式」あるいは「パッシブ」、メガネと映写システムを連動させ高速で右目用と左目用の映像を切り替える方式を「アクティブシャッター方式」という。

(2022.6.16更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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