インフルエンサー 【influencer】

概要

インフルエンサー(influencer)とは、「社会に大きな影響力を持つ人物」という意味の英単語で、特に、インターネットを通じた情報発信力があり特定に集団の思想や行動、ライフスタイルなどに強い影響を及ぼす人物のこと。

広義には従来の著名人や政治家、実業家などを含むが、狭義には、一般的な知名度は必ずしも高くないが、SNSなどを通じて多くの信奉者(フォロワー)を獲得し、彼ら/彼女らに日常的に情報を発信して強い影響を及ぼす新しいタイプの著名人を指す。

このような意味でのインフルエンサーは、米国などでは2015年頃から、日本では2017年頃から急激に注目を集め始めた。とりわけ、YouTubeで動画コンテンツを発信する「ユーチューバー」、Instagramで写真や動画を発信する「インスタグラマー」の中から若者などの強い支持を得るインフルエンサーが台頭し始め、一部は従来の芸能人などに匹敵する発信力を持つようになっている。

インフルエンサーの多くは何らかの本業を持つ個人が趣味的に始めて人気が出たパターンだが、特定層への知名度や発信力を活かし、動画コンテンツでの広告配信、オンラインサロン、企業とのコラボレーションマスメディアでのタレント活動といった事業を手掛け、職業化する事例も多く見られるようになっている。芸能人や実業家、政治家など従来型の著名人がSNSで大きな支持を獲得し、インフルエンサー化する例も急激に増えている。

インフルエンサーマーケティング (influencer marketing)

企業が商品開発や宣伝などでインフルエンサーの力を借りるマーケティング手法を「インフルエンサーマーケティング」という。

各インフルエンサーは特定の社会集団に強い影響力を持ち、発信手段(メディア)も自前で持っているという特徴がある。従来のタレントやマスメディアによる訴求では届きにくい層に深くアプローチできる人物もおり、特定業界や商材では非常に効果的なマーケティング手法となっている。

具体的な手法としては、ブランドや商品、サービスをテーマに動画などのコンテンツを制作して配信してもらうコラボレーション(コラボ)、長期的なスポンサリング契約を結んでブランドや商品の魅力を発信してもらうブランドアンバサダー、ライブ配信で商品のオンライン販売をうライブコマースなどがある。

インフルエンサーの影響力は「狭く深い」のが一般的なため、対象となる商品やブランド、サービスなどとインフルエンサーのフォロワーがうまく適合しないと効果が無く、対象者の選定は容易ではない。当然ながら、マスに広く訴求したいといった目的に用いるのは適さない。

特有のリスクとして、本人の活動との線引きが曖昧だと、宣伝であることを隠して発信する「ステルスマーケティング」(ステマ)を疑われて消費者の信用を失うことがある。タレントなどを起用したキャンペーンにも共通するが、本人の情報発信に不適切な内容があり「炎上」などが発生すると、関係する企業や商品のイメージにも悪影響が及ぶ場合がある。

(2021.8.15更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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