インフルエンサー【influencer】
概要

元来、「インフルエンサー」とは他者の意思決定や行動に影響を与える人物を広く指す語だが、現在では主にインターネット上で情報を発信し、多数の支持者を持つ個人を意味することが多い。広義には芸能人や政治家、実業家など従来型の著名人も含むが、狭義には、必ずしも全国的な知名度を持たないながらも、SNSなどで強い影響力を持つ新しい型の著名人を指す。
日本では2017年頃から急速に注目されるようになった。YouTubeで動画を発信する「ユーチューバー」や、Instagramを主な活動の場とする「インスタグラマー」の中から若年層を中心に強い支持を集める人物が台頭し、一部は従来の芸能人に匹敵する発信力を持つに至っている。TikTokの普及以降は短尺動画を軸にフォロワーを伸ばす「ティックトッカー」なども加わり、活動の場はプラットフォームをまたいで広がっている。
発信内容は美容やファッション、ゲーム、料理、旅行、投資など様々な分野にわたる。フォロワー数の規模によって、数百万人以上を持つ「メガインフルエンサー」、数千〜数万人規模ながら特定分野で強い支持を受ける「マイクロインフルエンサー」「ナノインフルエンサー」などと分類することもある。マーケティング活用においては規模の大きさだけでなく、フォロワーとの関係の密度も重視される。
インフルエンサーの多くは、本業を持つ個人が趣味として発信を始め人気を得たケースであるが、企業との広告・タイアップ案件、オンラインサロンの運営、商品のプロデュース、マスメディアへの出演などを通じて職業化する事例が増えている。芸能人や実業家、政治家などがSNSで支持基盤を築きインフルエンサー化する例も多い。
企業がインフルエンサーを起用して商品・サービスを訴求する手法は「インフルエンサーマーケティング」と呼ばれ、デジタル広告戦略の一環として定着している。一方、広告である旨の表示・注記を行わずに宣伝を行う「ステルスマーケティング」や、政治的意図に基づく虚偽情報の拡散といった問題も生じており、各国で法規制やガイドラインの整備が進められている。