インクリメンタル【incremental】
概要
インクリメンタルは、処理や変化を小さな単位(増分)に分けて順次実施するという考え方を表す。全体を一度にまとめて扱う「一括」「フル」と対比される概念であり、段階的に積み重ねることで最終的な完成形に近づけていく。ITの様々な文脈でこの考え方が応用されている。
インクリメンタル開発
ソフトウェア開発において、最低限の機能を備えた動作可能なシステムをまず構築し、そこへ機能を少しずつ追加しながら完成度を高めていく手法を「インクリメンタル開発」(incremental development)という。開発の初期段階で要求や仕様が固まっていない場合や、早期に動作するソフトウェアを利用者に届けたい場合に適している。初期の段階から実際に動くソフトウェアが存在するため、開発の進捗を把握しやすく、仕様の変更や追加にも対応しやすい。
インクリメンタルサーチ
キーワード検索において、利用者が文字を一字入力するたびに検索を実行し、結果をリアルタイムで更新する方式を「インクリメンタルサーチ」(incremental search)という。検索語を最後まで入力し終えてから検索を開始する一般的な方式とは異なり、入力の途中から候補が絞り込まれていくため、目的の項目に素早くたどり着ける。辞書やアドレス帳、ファイル検索、Webブラウザの検索候補表示など、多数の項目の中から目当てのものを探す場面で用いられている。
インクリメンタルバックアップ
データのバックアップにおいて、前回のバックアップ以降に追加または変更されたデータのみを保存する方式を「インクリメンタルバックアップ」(incremental backup:増分バックアップ)と呼ぶ。毎回すべてのデータを複製する「フルバックアップ」と比べて処理時間が短く、ストレージの消費量を抑えられる。一方、データを復元する際にはフルバックアップと以降のすべての増分データが必要になるため、復旧手順はフルバックアップより複雑になる。
