VCCI【Voluntary Control Council for Interference by Information Technology Equipment】
概要

電子機器は動作中に電磁波を発する。これが周囲に漏れると、テレビやラジオの受信に雑音や映像の乱れを生じさせる場合がある。VCCIでは、こうした電波障害を防ぐため、対象機器について妨害波の許容値や測定方法を定めている。会員企業は登録された測定設備で確認試験を行った上で、協会に届け出る仕組みが採られており、国による強制規制とは異なり、業界による自主規制として運用されている。
対象となるのは「マルチメディア機器」(MME)と呼ばれる機器群で、パソコンや周辺機器、テレビ、オーディオ機器、通信機器、ネットワーク機器、ゲーム機、電子玩具などが含まれる。基準は「クラスA」と「クラスB」の2種類に分かれ、住宅環境での使用を想定したクラスBの方が、オフィスや工場など非住宅環境向けのクラスAより厳しい許容値が課される。クラスA機器を家庭で使用すると、電波障害を引き起こす恐れがあるため注意を要する機器として扱われる。
技術基準はかつて国際規格の「CISPR 22」を基準としていたが、2019年3月には「CISPR 32」ベースの体系への移行が完了し、国際規格との整合が図られている。適合確認に使う測定設備の登録・審査も協会の業務に含まれ、国内企業だけでなく海外の企業や団体も会員として参加できる制度となっている。
業界団体としてのVCCIは1985年12月、日本電子工業振興協会(JEIDA)や日本電子機械工業会(EIAJ)、日本事務機器工業会(JBMA)、通信機械工業会(CIAJ)といった4団体を母体に、「情報処理装置等電波障害自主規制協議会」として設立された。同年9月に国際電気標準会議(IEC)の国際無線障害特別委員会(CISPR)が妨害波の許容値と測定法について勧告を行い、これを受けて当時の郵政省が関連業界に自主規制を要請したことが設立の直接の契機となった。2009年4月には一般財団法人へ移行し、名称も現在の「VCCI協会」に改められている。