EMC 【Electromagnetic Compatibility】 電磁両立性
概要
EMC(Electromagnetic Compatibility)とは、電気機器などが備える、電磁的な不干渉性および耐性。「電磁環境適合性」「電磁環境両立性」などと呼ばれることもある。電磁的な不干渉性とは、ある機器が動作することによって他の機器の動作を阻害したり、人体に影響を与える一定レベル以上の干渉源となる電磁妨害(EMI:Electromagnetic Interference)を生じない性質を表す。
また、電磁的な耐性とは、付近にある電気機器などから発生する電磁波や導体を伝わって流れ込んでくるノイズ電流などにより、自身の動作が影響を受ける電磁感受性(EMS:Electromagnetic Susceptibility)を低く抑えることを指す。
電気機器や内部の部品は何の対策も施さなければ、近くにある他の機器やケーブルなどから放射される電磁波や漏出電流、あるいは雷や太陽活動など自然現象の影響で、機能低下や誤作動、停止、記録の消失などの影響を受けることがある。
また、自身が周囲に放射する電磁波によって、他の機器の動作や近くにいる人間の健康に悪影響を与えてしまうこともある。こうした周囲との電磁的な干渉による悪影響を低減させる措置を総称してEMC対策という。
近年では、日常生活にますます多くの電子機器が入り込み、電波(による無線通信)の利用機会も拡大している。それに伴い、電磁環境が人体へ与える影響への懸念が広がっている。
また、半導体チップは小型化、微細化、小電力化が進み、チップそのものの電磁耐性は低下している。こうした背景から、不干渉性という観点からも耐性という観点からもEMCへの関心は高まっている。
(2019.7.18更新)
関連用語
他の辞典による解説 (外部サイト)
この記事を参照している文書など (外部サイト)
- 大阪府教育センター「農業・工業の実習における安全教育の手引 - 第2章 電気・電子・情報分野」(PDFファイル)にて引用 (2013年3月)