被写界深度 【depth of field】

概要

被写界深度(depth of field)とは、カメラで被写体にピントを合わせたときに、被写体前後の範囲の中でピントが合っている幅のこと。

被写体にピントを合わせると、その前後にもある程度ピントの合った範囲が存在する。この範囲のことを被写界深度と言い、この範囲が広い(より奥から手前までピントが合っている)状態を「被写界深度が深い」、狭い(被写体以外はほとんどぼやけている)状態を「被写界深度が浅い」という。「深い」というのは「奥にあるものにピントが合う」という意味ではない。

被写界深度は写真の「表現」に大きな影響を与える。被写体を強調したい場合は、周囲を目立たせない必要があるため、被写界深度を浅くすればよい。画面全体に撮りたいものが散らばっている場合は、被写界深度を深くすれば広い範囲をくっきり撮ることができる。

被写界深度は、絞りを開いて(Fを小さくする)、レンズの焦点距離を長くとり(望遠側にする)、被写体に近寄れば、浅くなる。逆に、絞りを絞って(Fを大きくする)、焦点距離を短くし(広角側にする)、被写体から遠ざかれば、被写界深度は深くなる。デジタルカメラではCCDセンサーなどの撮像素子のサイズ(面積)が大きいほど被写界深度は浅くなる。

(2024.6.10更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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