電子コンパス 【electronic compass】 デジタルコンパス / digital compass / 地磁気センサー / geomagnetic sensor

概要

電子コンパス(electronic compass)とは、地球の地磁気を観測して方位を検知することができる装置。方位磁石(コンパス)と同じ働きをする電子機器の一種で、現在地における東西南北の方角を知ることができる。

半導体チップICチップ)の形で提供され、スマートフォンカーナビゲーションシステムなど屋外で持ち運んで利用する電子機器の部品として組み込まれることが多い。現在位置を測位するGPS全地球測位システム)や地図データなどと組み合わせ、機器を向けている方向や進んでいる方向に合わせて自動的に地図を回転して表示するといった用途に用いられる。

前後方向と左右方向の二方向の磁気を測定して方位を検知する2軸タイプ、これに加えて上下方向も測定する3軸タイプがあり、前者は装置を水平状態に保つ必要があるが、後者は装置の傾きが分かっていれば水平にする必要がないため、3軸タイプに傾きを検知する加速度センサーなどを組み合わせて利用することが多い。

装置の実装方式にはいくつかの種類があり、ホール効果を利用するホールセンサー、磁気抵抗効果を利用するMR(Magneto Resistance)センサー、磁気インピーダンス効果を利用するMI(Magneto Impedance)センサーなどがよく知られる。

(2024.1.20更新)

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