ボットウイルス

概要

ボットウイルスとは、感染したコンピュータを攻撃者が遠隔から操り、他のコンピュータへの攻撃や迷惑メールの送信などに悪用するマルウェアのこと。単に「ボット」と呼ばれることもあるが、こちらは自動化プログラム全般を指す用語としても用いられる。
ボットウイルスのイメージ画像

他のマルウェアと同様、ソフトウェアの脆弱性を突いたり、電子メール添付ファイルや不正なWebサイトを通じたりしてコンピュータに侵入・定着する。感染後は利用者や管理者に発見されないよう、ファイルの破壊や情報の窃取といった目立った活動を控え、攻撃者から指令が届くまで潜伏したまま待機することが多い。利用者は自身のコンピュータが感染していることに気づきにくい。

攻撃者がネットワーク経由で指令を送ると、ボットウイルスはこれに従って一斉に動作する。DDoS攻撃迷惑メールの大量配信、他の機器への感染拡大、不正プログラムの追加ダウンロードなどに利用され、コンピュータの所有者は知らぬ間にサイバー攻撃の踏み台にされてしまう。近年では、個人情報や認証情報の窃取、暗号資産の不正採掘、ランサムウェアの配布に悪用される事例もみられる。

ボットウイルスは不特定多数のコンピュータに感染を広げ、それらを組織的に動かす。感染機器の群れで構成される遠隔操作ネットワークを「ボットネット」(botnet)、攻撃指令を出す中央サーバを「C&Cサーバ」(Command and Control Server)と呼ぶ。ボットネットの規模は数千台から数百万台に達することもある。摘発や停止を回避するため、複数のサーバを分散配置したり、機器同士が直接通信するP2P型の構成を採用したりする例もある。

近年では、セキュリティ対策が手薄になりがちな家庭用ルータWebカメラスマート家電などのIoT機器を標的にしたボットウイルスが急増している。機器の脆弱性や初期設定のままのパスワードを突いて侵入し、大規模なボットネットを構築する事例が相次いでいる。機器のファームウェアコンピュータオペレーティングシステム(OS)、アプリケーションを最新の状態に保つこと、機器の認証情報を推測されにくいものに変更することが、感染防止の基本的な対策となる。

(2026.6.8更新)
 
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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