紙媒体 【print media】
概要
紙媒体(print media)とは、電波媒体やデジタル媒体と比較・対比する文脈における印刷物のこと。書籍や新聞、雑誌、チラシ、カタログ、パンフレット、ポスターなど、紙に印刷して配布・販売したり掲示する形態の情報媒体(メディア)。情報を記録・伝達する媒体のうち、紙面に文字や画像、図表などを印刷する方式のものを指す。書籍などの商業印刷物のほか、文脈によっては組織内で用いる紙に印刷した資料(プリント)、ノートやメモ、付箋、はがき、手紙など手書き(のための)ものを含める場合もある。
情報の伝達
情報を広く伝達する手段としてはテレビやラジオなどの電波媒体、Webサイトやスマートフォンアプリなどのインターネット媒体と比較される。電波媒体と比較すると、紙媒体は映像や音声などは扱えず、紙の印刷や運搬の手間とコストがかかり、即時性も劣るが、時間の制約に縛られず大量の文字情報を伝達でき、保管性に優れる利点がある。
ネット媒体比較すると、欠点は電波媒体との比較とほぼ同様で、コンピュータによる検索やデータとしての複製や利用が困難という欠点が加わるが、ネット媒体に掲載された内容は改変や削除、移転、閉鎖など常に運営者の都合に影響される一方、紙媒体の情報は一度入手してしまえば出し手の影響を受けずに発行当時のまま残り続けるという利点がある。
情報の保管
また、情報を記録・保存する手段としてはデジタルデータを電磁的に記録する電子媒体(磁気ディスクや光学ディスク、フラッシュメモリ装置など)と比較される。紙媒体はこれらに比べて記録内容をデータとしてそのまま読み出して利用できず、内容の複製や伝送にも手間やコストがかかる難点がある。
一方、読み出しや表示・再生のための機器やソフトウェアが不要で、媒体のみで内容を視認できる。一般的な光学ディスクは数十年で劣化してしまい内容が読み出せなくなってしまうなど、発明から数十年しか経ていない電子媒体はどの程度長期保存できるか実証されていないが、紙は千年以上前のものが現存しており、適切な保存環境であれば極めて長期間保管することができる。