読み方 : こっかせんりゃくとっくほう
国家戦略特区法
概要
国家戦略特区法とは、国が指定した地域において規制緩和や制度改革を集中的に実施し、国際競争力の強化と国内投資の拡大を図るための特別措置を定めた法律。 産業振興や新事業の創出を促す目的で、通常より柔軟な規制運用を可能にする枠組みを定めている。

正式名称は「国家戦略特別区域法」で、2013年に制定された。特区の指定は、地方自治体からの提案を受け、内閣総理大臣を議長とする「国家戦略特別区域諮問会議」での審議を経て決定される。特区に指定された地域では、医療、教育、農業、雇用など特定の分野で特例や規制緩和が適用される。
具体的な特例の例としては、外国人医師の診療や、外国人の家事支援人材の受け入れ拡大、都市計画法の特例による容積率の緩和、農業委員会制度の見直しによる企業による農業参入の円滑化などがある。こうした特例措置は、特定の地域に限定して実験的に実施することで、その政策効果を検証し、成功事例は制度改正を経て全国へ展開することも想定されている。
国家戦略特区は、地域に特有の課題の解決や、国際的な経済活動の拠点を形成することを目的としており、地方創生と経済活性化の両面で重要な役割を担っている。一方で、特定の地域のみに優遇措置を適用することに対する公平性の問題や、特例措置によって生じる副作用への対応など、適切な運用が常に求められている法律である。
(2025.11.24更新)