USBメモリ 【USB stick】 USBフラッシュドライブ / UFD / USB Flash Drive
概要
USBメモリ(USB stick)とは、コンピュータなどのUSB端子に差し込んで使用する、フラッシュメモリを内蔵した小型の外部記憶装置(ストレージ)。着脱・持ち運びが容易な記憶メディアとして、パソコンなどの情報機器間のデータの移動によく用いられている。一般的なUSBメモリは親指ほどのサイズの箱型や棒状の機器の先端部がUSBコネクタとなっており、パソコンなどのUSBコネクタに差し込むとハードディスクなどと同じように記憶装置として読み書きできるようになる。
内部には通電しなくても内容が消えない不揮発性の半導体メモリの一種であるフラッシュメモリのICチップが実装されており、USB端子を通じてコンピュータ側から供給される電力(USBバスパワー)により駆動する。
2000年前後から普及し始めた製品カテゴリーで、記憶容量は当初は数十MB(メガバイト)程度の製品から普及し始めたが、近年ではハードディスクやSSDなどのストレージ装置に劣らない数百GB(ギガバイト)から1TB(テラバイト)を超える製品まで存在する。
日本では「USBメモリ」の呼称が浸透しているが、英語では正式な場面では “USB flash drive” と呼ばれることが多い。日常的には様々な呼び方が用いられ、“USB drive”“USB stick”“USB flash”“flash drive”などと呼ばれることが多い。
利点と欠点
極めて小型、軽量で記憶容量が大きく、USB端子があれば読み書きのための特別な装置(リーダー/ライター)やドライバソフトなどが不要で、半導体装置であるため衝撃に強く、読み書き速度も磁気メディアや光学メディアより格段に高速などの利点がある。
一方、磁気ディスクや光学ディスクに比べ容量あたりの単価が高い、寸法や形状の規格や標準がないため大量に保管する際は収納や整理が難しい、同じ可搬型フラッシュメモリ装置のメモリーカードよりは大きくかさばるといった難点もある。
記憶媒体 | 装置 | 速度 | 容量 | 容量単価 | 可搬性 | 対応機器 |
---|---|---|---|---|---|---|
磁気ディスク | ハードディスク(内蔵) | ○ | ◎ | ○ | × | ○ |
ハードディスク(外付け) | ○ | ◎ | ○ | △ | ◎ | |
フラッシュメモリ | SSD(内蔵) | ◎ | ○ | × | × | ○ |
USBメモリ | ◎ | ○ | × | ○ | ◎ | |
メモリカード(SD) | ◎ | ○ | × | ◎ | △ | |
光学ディスク | CD(CD-RW) | × | × | × | ◎ | ◎ |
DVD(DVD-RW) | × | △ | △ | ◎ | ◎ | |
Blu-ray Disc(BD-RE) | △ | ○ | ○ | ◎ | × | |
磁気テープ | 磁気テープカセット(LTO) | △ | ◎ | ◎ | ◎ | × |
また、フラッシュメモリに共通する特徴として、書き込み動作を繰り返すと次第に記憶素子が劣化していくため、頻繁に何度も消去や書き換えを行う用途には向かない。光学ディスクなどは静電気の放電や水濡れに強いが、USBメモリは電子機器であるためこれらには弱い。
USBメモリの利用
USBの規格には元々、「USB Mass Storage Class」という、記憶装置に対する基本的な操作を提供する仕様が含まれており、USBメモリはこれを利用して読み書きを行うようにすることで、特別なドライバソフトなどをコンピュータのオペレーティングシステム(OS)に導入しなくても利用できるようにしている。
特に準備などをしなくても初めて使用するコンピュータに差し込むだけで即座に読み書き可能となるが、内部にファイルシステムを設けてからファイルやディレクトリを作成するため、FAT32、exFAT、NTFSなどファイルシステムの種類によっては特定の機種で読み書きできない場合がある。
一般的なUSBメモリ製品はUSB Type-Aコネクタを備えているが、近年の最新USB規格ではコネクタ仕様がUSB Type-Cに統一されたため、Type-Cコネクタの製品やType-AとType-Cの両対応になっている製品もある。iPhoneやiPadなど米アップル(Apple)社製品で利用できるようにするためLightningコネクタを備えた製品もある。
関連用語
他の辞典による解説 (外部サイト)
この記事を参照している文書など (外部サイト)
- 岩手県立総合教育センター 岩手県教育研究発表会 発表資料「小・中学校においてコンピュータやネットワークを 安全に利用するための研究」(PDFファイル)にて参照 (2006年1月)