キャッシュ 【cache】 キャッシュデータ / cache data
概要
キャッシュ(cache)とは、低速な記憶装置や伝送路から読み出したデータのうち、直近に読み込んだものや使用頻度が高いものを高速な記憶装置に複製しておくこと。また、その際に使われる高速な記憶装置や、複製されたデータそのもののこと。データの読み込みを高速化したり、伝送量を削減することができる。例えば、コンピュータのメインメモリはストレージ装置に比べれば何桁も高速にデータの読み書きが行えるため、使用頻度の高いデータをメモリ内に保持しておくことにより、すべてのデータをストレージに置いた場合よりも処理を高速化することができる。この場合、メモリ(に複製されたデータ)がストレージのキャッシュである。
同様の手法は通信においても利用することができ、通信ネットワークを介して外部の別の機器から受信したデータをストレージに保存しておくことで、次に必要になったときに高速に読み出すことができる。手元にデータをとっておくことで、通信回線の帯域幅(伝送容量)や伝送量(および伝送料)を節約する効果もある。
コンピュータのCPU(マイクロプロセッサ/MPU)の内部には演算装置から高速にアクセスできる小容量の特殊なメモリ回路が内蔵されており、これを「キャッシュメモリ」(cache memory)という。メインメモリよりも遥かに高速に読み書きできるため、使用頻度の高いデータを記録しておくことでメモリからの読み込み時間を削減して性能を向上させることができる。
ちなみに、日本語の外来語で「キャッシュ」は現金、換金、現金化などの意味でも用いられるが、こちらは “cash” の音写であり、“cache” とは発音が同じだが綴りと意味が異なる別の単語(異綴同音異義語)である。
(2019.4.3更新)
関連用語
他の辞典による解説 (外部サイト)
この記事を参照している文書など (外部サイト)
- 粉体工学会誌 44巻3号「DEMの高速化に対するプログラム最適化と計算機環境の影響」(PDFファイル)にて引用 (2007年3月)