DRM 【Digital Rights Management】 デジタル著作権管理

概要

DRM(Digital Rights Management)とは、デジタルデータとして表現されたコンテンツ著作権を保護し、その利用や複製を制御・制限する技術の総称。音声・映像ファイルにかけられる複製の制限技術などが有名だが、広義には画像ファイルの電子透かしなども含まれる。

デジタル化された音楽などの著作物は何度コピーしても、どんな遠距離を送受信しても品質が劣化しないため、インターネットの普及や回線の高速化、コンピュータの性能向上に伴って、著作者の許諾を得ない違法な配布・交換などが増えている。

これに対抗するため、コンテンツの複製や再生などに一定の制限を設け、正規の手段でしか利用できないようにする技術がDRMである。内容を暗号化して正規の再生環境でのみ復号できるようにして、複製データや非正規の環境では暗号化を解除できないようにする手法がよく用いられる。

具体的な実装形態は様々で、ディスクメモリーカードなどの媒体側に特殊な加工や機構を組み入れたり、音声や動画の再生機器やプレーヤーソフト、ファイルの送受信・転送ソフトに組み込んだり、それらを組み合わせたシステムなどがある。

DRMが普及して以降、このような技術的な保護手段が講じられていない状態で提供されるデジタルコンテンツを「DRMフリー」(DRM free)と呼ぶことがある。これは技術的には複製や伝送が可能であることを表し、利用者に認められた権利上、自由に複製や伝送しても良いという意味ではない(自由である場合もそうでない場合もある)。

特殊なツールなどを用いてDRMコンテンツから複製・配布可能な状態のデータを抜き出す行為(DRM解除)はもともと違法ではなかった(そのデータを無断で配布・販売等すれば著作権侵害となる)が、日本では2012年の著作権法改正で、DRMの解除が違法化(刑事罰は無し)され、DRM解除ツールの配布も違法化(刑事罰あり)された。

(2022.6.22更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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