HDCP 【High-bandwidth Digital Content Protection】

概要

HDCP(High-bandwidth Digital Content Protection)とは、著作権で保護された映像コンテンツが表示装置へ伝送される間に不正にコピーされるのを防止する暗号化技術コンピュータなどの情報機器とテレビやディスプレイ装置を繋ぐHDMIDVIDisplayPortなどの接続規格で利用される。

DVDやデジタルテレビ放送などでは映像データ暗号技術によって保護され、元の記録媒体や伝送路から単純にデータを抜き出して複製しても正しく再生できないが、正規の再生装置・ソフト暗号化を解除して映像データ復元したあと、これをディスプレイなどにケーブルで伝送する際には「無防備」な状態となってしまう。

従来は表示装置への映像の伝送はアナログ信号でっていたため、何らかの機器で信号を傍受して複製しても、元の映像データを完全に復元することはできなかったが、DVIHDMIなどは映像をデジタルデータのまま伝送するため、表示機器へのなりすましや信号の盗聴により完全な複製を作成することができてしまう。この経路暗号化によって保護するための仕様を策定したものがHDCPである。

HDCPではコンピュータなど映像の送り出し側(HDCPトランスミッタ)とディスプレイなど受け側(HDCPレシーバ)がそれぞれ固有の暗号鍵を内蔵しており、これを利用して正規のHDCP対応機器であることの認証暗号鍵の交換、映像データ暗号化復号う。

2000年に米インテルIntel)社が開発し、同社の設立したDigital Content Protection社(DCP LLC)が対応製品メーカーへのライセンス供与をっている。初期の規格は接続方式ごとに策定され、DVI用(バージョン1.0)、HDMI用(1.1)、DisplayPort用(1.3)などに分かれていた。バージョン2.0では物理的な接続仕様と切り離された汎用的な仕様となり、バージョン2.2では4K映像に対応した。

(2018.12.19更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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