クロスライセンス 【cross-licensing】 クロスライセンス契約 / cross-licensing agreement
概要
クロスライセンス(cross-licensing)とは、複数の企業など集まり、それぞれの所有する知的財産権の使用を互いに許諾し合うこと。また、そのような契約や合意。許諾の範囲に含まれる知的財産の実施・利用については互いに対価を請求しないとすることが多い。ある製品や技術分野に関連する重要な特許が複数あり、その所有が複数の企業などに分かれている場合によく用いられる。契約に合意した企業は自らの特許を無償(あるいは低額)で相手方に開放する代わりに、相手方の持つ特許についても自由に利用できるようになる。
関連する特許を持つ複数の企業がコンソーシアム(企業連合)を結成して互いにクロスライセンス契約を結び、特許群を一体的に管理する仕組みを「パテントプール」(patent pool)という。
この場合、特許を利用するコンソーシアム外の(供出できる有力な特許を持たない)企業に対しては、共同で特許料の支払いを求め、参加企業間で分配して収益を共有することが多い。当該分野で過度に独占的に振る舞うコンソーシアムに対しては独占禁止法上の問題が生じることもある。
単にクロスライセンスといった場合は特許権についての契約を指すことがほとんどだが、著作権や商標権など他の知的財産権が対象となる場合もある。
(2020.3.28更新)