WMV 【Windows Media Video】
概要
WMV(Windows Media Video)とは、米マイクロソフト(Microsoft)社が開発した動画データの圧縮符号化方式および圧縮・展開ソフトウェア(コーデック)の一つ。2000年代前半に同社が推進していたWindows Media Formatの中核を構成する動画形式である。正式な規格化前のMPEG-4形式で動画の圧縮・展開を行うMicrosoft MPEG-4コーデック(MS-MPEG4)から派生・改良された圧縮方式及びコーデックで、(標準化後の)MEPG-4との直接的な互換性はない。Windows Mediaでは独自の音声圧縮符号化方式としてWMA(Windows Media Audio)形式を定めており、WMV動画の音声部分にはWMAが併用されることが多い。
WMVは同時代の他の形式に比べ圧縮率が高く、Windows Media PlayerなどWindows環境が標準で対応しているが、圧縮処理が複雑で時間がかかる難点もある。ASF(Advanced Systems Format)形式のコンテナファイルに格納することでストリーミング配信やデジタル著作権管理(DRM)にも標準で対応する。
最初の規格は2000年のWindows Media Player 7(WMP7)に採用されたWMV7で、WMPのバージョン番号に合わせて命名されたためバージョン1から6は欠番となっている。その後、WMV8、WMV9が開発された。WMV9の仕様は「VP1」としてSMPTE(米国映画テレビ技術者協会)によって標準化され、Blu-ray Disc(や対抗馬のHD-DVD)の標準コーデックの一つにも採用されている。
(2018.10.28更新)