ミラーリング 【mirroring】 ミラー化
概要
ミラーリング(mirroring)とは、「鏡写し」という意味の英単語で、IT分野では同じ内容を同時に二ヶ所に反映することを指す。複数の表示機器に同じ内容を同時に映し出すことや、複数の記憶装置に同じデータを同時に記録することなどを表す。画面ミラーリング
コンピュータの画面出力を複数の表示装置(ディスプレイ)に同時に行うことを画面ミラーリングあるいはスクリーンミラーリングという。携帯機器などの本体付属の画面と外部の別の表示装置に同時に出力する方式を指すことが多い。
例えば、スマートフォンの画面を接続先のテレビやディスプレイ画面のにも出力し、手元で操作しながら同時に大画面で表示する、といったことが可能になる。ディスプレイケーブルなどで直に繋ぐ方式と、表示装置側の外部入力端子に専用の小さな受信装置を挿入し、これを端末と無線接続して表示内容を転送する方式がある。
iPhoneの場合はAirPlayによる無線接続やLightningコネクタ-HDMI変換ケーブルによる有線接続が、Androidの場合はChromecastやFire TV Stickなどの受信装置による無線接続やマイクロHDMIケーブルによる有線接続などがよく用いられる。
ストレージのミラーリング
一台のコンピュータ(システム)に複数のストレージ(外部記憶装置)を接続し、データを書き込む際に同じ内容を二台同時に書き込むことをミラーリングと言い、ハードディスクを用いる場合を特にディスクミラーリングという。
複数のストレージの一体的運用について定めたRAID技術では「RAID 1」(RAIDレベル1)として知られている。二台の装置にはまったく同じ内容のディレクトリやファイルが記録され、一台が破損して読み出せなくなっても残りの一台から内容を読み出すことができる。
破損した方を入れ替えて再び内容を同期させることで、データの喪失やシステムの停止を伴わずにストレージ装置の障害対応が可能になる。一台の場合に比べ(二台同時に)故障する確率は元の2乗と大幅に減少するが、記憶容量の利用効率は半分となる。
コンピュータに専用の制御装置を導入してこれに二台のストレージを接続して行う方式と、通常の方式で繋いだ二台のストレージを用いてOSの機能や専用のソフトウェアが実施する方式がある。後者の方が手軽に導入できコストも安いが、性能や障害時の対応などは前者が優る。
サーバやサイトのミラーリング
ネットワーク上でサーバの機能や内容を複数台で同期し、同じ内容を複数のサーバから提供できるようにすることをミラーリングという。そのように複製されたサーバを「ミラーサーバ」、Webサイトを「ミラーサイト」という。
複数のサーバが同じ機能や内容を提供することで、一台が障害やメンテナンスで停止してもサービスを継続できる。また、構成や制御方式によってはアクセス要求が多い場合にミラーサーバ間で負荷分散を行い一台あたりの負荷を軽減することもできる。