BIOS 【Basic Input/Output System】
概要
BIOS(Basic Input/Output System)とは、パソコンなどの主基板(マザーボード)などに格納されたコンピュータプログラム(ファームウェア)の一種で、起動時のオペレーティングシステム(OS)の読み込みや、接続された装置・機器に対する基本的な入出力制御などを行うもの。マザーボード上に実装されたROMやフラッシュメモリなどの不揮発メモリに記録されており、電源投入後に内部の起動用プログラムが最初に実行される。コンピュータ内の各装置を初期化して利用可能な状態に準備し、ストレージ(外部記憶装置)からOSを起動するための「ブートローダ」と呼ばれるプログラムを読み込んで実行する。
また、コンピュータに接続された外部記憶装置や入出力装置(ディスプレイ、キーボード、マウスなど)を直接制御する機能もあり、装置ごとの仕様や制御方法の違いを吸収し、OSなどそのコンピュータで実行されるソフトウェアに対して共通の方法で機器を制御する手段を提供する。現代のパソコンではOS側に組み込まれたデバイスドライバなどがこの役割を果たすことが多く、BIOSによる機器の制御はあまり用いられない。
BIOSは1970年代から、いわゆる「PC/AT互換機」(MS-DOSやWindowsが動作する一般的なパソコン製品)を中心に広く利用されてきた。大手コンピュータメーカーは自社製のものを内蔵することが多かったが、一般にはマザーボードメーカーのBIOSを利用することが多かった。
著名なBIOSとしては、米フェニックス・テクノロジーズ(Phoenix Technologies)社の「Phoenix BIOS」や、米アウォード・ソフトウェア(Award Software)社の「Award BIOS」、米アメリカン・メガトレンド(American Megatrends)社の「AMI BIOS」などがある(Phoenix社とAward社は1998年に合併)。
2000年前後からインターフェース規格の置き換えが進み、旧来のBIOSの設計の古さが制約となる場面が増えた。米インテル(Intel)社などが主導して、現代的なハードウェア環境に合わせて仕様を刷新した「EFI」(Extensible Firmware Interface)規格が2000年に、「UEFI」(Unified EFI)規格が2005年に策定され、以降のパソコンはUEFIを内蔵するようになった。現在でも、便宜上、UEFIのことを指して「BIOS」と呼ぶことがある。