メモリスロット 【memory slot】 メモリソケット / memory socket
概要
メモリスロット(memory slot)とは、コンピュータの主基板(マザーボード)などにある、主記憶装置(メインメモリ/RAM)を装着するための細長い差込口。メモリチップを装着した専用の小さなメモリ基板(メモリモジュール)を差し込んで固定する。スマートフォンなど小型の機器では主基盤にメモリチップが直接実装されている場合もあるが、パソコンやサーバなどでは主基盤上に小型の電子基板の差込口であるメモリスロットが設けられ、そこに専用のメモリモジュールを差し込むことで主記憶とする。
モジュールにはメモリチップが複数実装されており、長辺の一方に数十から百数十の金属接点(ピン)が並んでいる。この部分を主基盤上のメモリスロットに差し込む。接触不良や振動などによるズレや脱落を防ぐため、スロットの両端には固定レバーなどが備えられている場合もある。
スロットの種類
RAMの規格によってモジュールとスロットの形状や仕様は決まっている。非対応スロットへの誤挿入を防ぐため、モジュールや端子のサイズが同一でも、規格が異なれば金属端子(ピン)の数や切り欠きの位置が異なっており、物理的に差し込めないような形状になっている。
一つの端子がモジュールの両面に渡って実装されている(表も裏も同じ端子)タイプのモジュールを「SIMM」(Single Inline Memory Module)、同じ箇所の表側と裏側にそれぞれ別の端子が実装されているタイプを「DIMM」(Dual Inline Memory Module)という。ノートパソコンなど携帯機器では小型の「SO-DIMM」(Small Outline DIMM)タイプが用いられる。
スロットの数
パソコンや小型サーバ向けのマザーボード製品ではメモリスロットの数は2つか4つが主流だが、高性能の機種では6つや8つなどの場合もあり、1つや3つなど変則的な機種もある。すべてのスロットにモジュールを差し込む必要はなく、空きスロットがある場合は必要に応じて後からメモリを追加することができる。
偶数個のスロットがある場合、機種によっては同規格かつ同容量のモジュールを2枚セットで差し込むことで、これを一体的に運用して並列に読み書きすることで転送速度を向上させることができる場合もある。このような高速化手法を「メモリインターリーブ」(memory interleaving)という。