TDP 【Thermal Design Power】 熱設計電力
概要
TDP(Thermal Design Power)とは、マイクロプロセッサ(MPU/CPU)などの大規模な半導体チップについて、設計上想定される最大放熱量のこと。すべての回路を全力で稼動させたときにどの程度の熱を発するかを表す指標で、単位はワット(W)。現代では半導体の集積密度の飛躍的な向上に伴い、プロセッサなどの高密度な集積回路の放出する熱は自身を破壊するほどの量に達するため、コンピュータに組み込む際には適切な冷却機構や冷却装置が必要となる。その際、チップが理論上どの程度まで発熱する可能性があるかを示すのがTDPである。TDP自体は発熱量を表すが、その値は最大消費電力にほぼ等しい。
なお、実際に使用する際すべての回路を同時に稼動させるという状況はほとんどありえないため、より現実的な指標として、ある典型的な利用状況を想定してその時の発熱量を計測するSDP(Scenario Design Power)などの指標を提唱しているメーカーもある。
(2017.11.20更新)