CDN 【Content Delivery Network】 コンテンツデリバリネットワーク
概要
CDN(Content Delivery Network)とは、Web上で送受信されるコンテンツを効率的に配送するために構築されたネットワーク。また、これを利用して顧客企業のコンテンツを高速に配信するサービス(CDNサービス)。CDN事業者はインターネットの様々な場所にコンテンツ配信用の「キャッシュサーバ」を設置しており、これらは大容量の回線で相互に接続されている。キャッシュサーバには配信元である顧客のWebサーバ(オリジンサーバ)から配信されるコンテンツの複製(キャッシュ)が保存され、全サーバがオリジン側の最新コンテンツと同じ内容になるよう常に同期している。
オリジンサーバへアクセス要求があると、アクセス元に地理的あるいはネットワーク的に近い位置にあるキャッシュサーバが代理応答し、キャッシュとして保存されている内容を送信する。多数のサーバで接続要求を負荷分散することができ、アクセス元とオリジンサーバが遠距離(別の大陸など)の場合に遅延時間を短縮することができる。
国際的に活動する企業や世界的なネットサービスでは世界中からアクセスがあるが、アクセス元の国にCDN事業者のキャッシュサーバがあれば、各端末が個別に遠距離の通信によってコンテンツを取り寄せる必要がなくなる。CDNの普及によりインターネット全体での重複トラフィックの削減や回線資源の利用効率の向上にも寄与している。
CDNの例
CDNサービスの先駆者として1998年創業の米アカマイ・テクノロジーズ(Akamai Technologies)社が有名だが、他にも専業の大手として米クラウドフレア(CloudFlare)社や米ファストリー(Fastly)社、韓シーディーネットワークス(CDNetworks)社などがよく知られる。
米アマゾンドットコム(Amazon.com)社の「Amazon CloudFront」、米グーグル(Google)社の「Cloud CDN」、米マイクロソフト(Microsoft)社の「Azure CDN」など、大手クラウド事業者などが手がけるサービスもある。グローバル展開する大手事業者は世界100か国以上に渡って数十万台に及ぶキャッシュサーバ群を擁し、インターネット全体の数%から10%以上に及ぶトラフィックを捌いている例もあると言われる。