ロードバランサ 【load balancer】 負荷分散装置 / LB / サーバロードバランサ / SLB
概要
ロードバランサ(load balancer)とは、通信制御装置の一つで、外部から送られてくるデータや処理要求を、同等に機能する複数のシステムに振り分け、一台あたりの負荷を抑える装置。対象により様々な種類があるが、通常はネットワーク上でサーバの負荷を分散する「サーバロードバランサ」を指すことが多い。外部とシステム群の中間に設置され、外部からの要求を何らかのルールに基づいて各システムに振り分け、並行に処理させる。これにより、要求が増大してもシステムの数を増やすことで全体の対応能力を増強していくことができる(スケーラビリティの向上)。
また、各装置が正常に稼働しているか監視する死活監視機能や、応答速度の極端な低下や停止を検知した装置への割り当てを即座に中止する自動切り離し機能、装置の保守や交換のためにサービスを継続しながら特定の装置を切り離す機能などを持っている製品も多く、システム全体の可用性(アベイラビリティ)を向上させることができる。
要求の割り当て方にはいくつかの方式があり、各装置に順番に均等に割り当てる「ラウンドロビン」(round-robin)方式や、現在の接続(コネクション)数が最も少ないものを選択する「最小接続数」(least connections)方式、最も早く反応した装置に割り当てる「最速応答時間」(fastest response time)方式などがある。
装置の処理能力に差がある場合などに、あらかじめ設定された割合で割り当てを行う「重み付けラウンドロビン」(weighted round-robin)方式が利用できる装置もある。
サーバへの接続では、同じクライアントが接続状態(セッション)を維持しながら繰り返しやり取りするステートフル通信を行うことがあり、通信のたびに別のサーバに接続されると処理に矛盾が生じるため、同一セッション中は前回と同じサーバに割り当てるセッション維持機能を持っていることが多い。
(2020.6.2更新)