ECCメモリ 【Error-Correcting Code memory】

概要

ECCメモリ(Error-Correcting Code memory)とは、コンピュータメインメモリ(RAM)に用いるメモリモジュールの種類の一つで、データ転送時の誤り訂正符号の付加と検証に対応したもの。データの誤りを検知したり訂正することができる。

一般的なECCメモリは、メモリ素子に記録されるデータ64ビットあたり8ビット誤り訂正符号ECC:Error Correction Code)を算出して保存する。読み出し時に64ビットのうちいずれか1ビットに生じた誤りを検知して正しいに訂正でき、同時に2ビット誤っている場合はこれを検知することができる(訂正はできない)。

この機能により、記憶素子の部分的な故障や誤作動、宇宙空間から飛来する高エネルギー粒子などに起因する偶発的なビット誤り(ソフトエラー)などにある程度対処することができる。業務用のサーバ向けメモリ製品などでよく用いられ、一般的なパソコン製品で使われることは稀である。

ECCメモリと対比して、ECCに対応していないメモリのことを「Non-ECCメモリ」(ノンECCメモリ)と呼ぶことがある。また、類似する技術として、一定の長さのビットごとにパリティデータ(0または1の数の奇遇)を付加するメモリモジュールを「パリティメモリ」という。仕組みが簡素で付加するデータが短くて済むが、1ビットの誤りの検知しかできない。

(2019.6.16更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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