オフショア開発 【offshore development】
概要
オフショア開発(offshore development)とは、情報システムやソフトウェアの開発業務を海外の事業者や海外子会社に委託・発注すること。営業や企画、設計、納品、サポートなど顧客に近い業務は本国で、実装やテストなどを海外で行なうといった形で分業することが多い。先進国の企業が人件費や事業コストの安い新興国の企業・人材を活用して開発コストを削減するために行なうもので、当初は英米からインドへの委託など英語圏の国の間で盛んに行われ、その後、日本を含む様々な国々に広まった。
新興国スタッフの人件費は先進国の数分の一程度のことが多く、うまく行けば大幅なコスト削減が可能だが、言葉や商習慣の違いから意思疎通のコストが嵩んでコストメリットを打ち消してしまったり、品質や契約などをめぐる認識の相違からトラブルになるといった事例も起きている。
オフショア開発では国内拠点と海外拠点の連携や意思疎通が重要であり、現地の作業チーム内で日本側との橋渡し役を務める技術者を「ブリッジSE」という。日本側との交渉や調整、報告などのコミュニケーションを担い、チームの人員に必要な情報を伝達する。
一方、同じ国内の物価や人件費の安い地域の人材や企業に開発業務を委託することを「ニアショア開発」(nearshore development)という。日本で言えば、例えば東京や大阪の企業が沖縄や北海道などの拠点で開発業務を行う(あるいは委託する)ことをこのように言う。
(2020.5.5更新)