ウォーターフォールモデル 【waterfall model】
概要
ウォーターフォールモデル(waterfall model)とは、システム開発の手順を模式化したモデルの一つで、設計やプログラミングといった各段階を一つずつ順番に終わらせ、次の工程に進んでいく方式。最も古典的な開発モデルの一つで現代でも広く普及している。解説 要件定義、外部設計、内部設計、開発(実装)、試験、本番稼働(納品)、運用といった各工程を時系列に沿って順に並べ、一つ前の工程が終わったらその成果物をもとに次の工程を始める、という単純なルールで進めていく方式である。滝(waterfall)を水が流れ落ち、逆戻りしないという意味合いでこのように呼ばれるようになった。
各工程は一度限り行われることが期待され、次の工程へ進む前に成果物の品質が厳しくチェックされる。それでも何らかの問題や状況変更が起き、前工程をやり直す必要が生じる場合もあり、これを「手戻り」という。
工程管理や見積もりのしやすさ、分かりやすさから、現代でも特に大規模開発で広く用いられている。よく指摘される問題点として、設計前に要件が、実装前に設計が完全に固まり、詳細かつ明確に定義され、後から変更されないという前提が現実離れしており、しばしば工程管理上の問題や依頼主とのトラブルの原因になっていると言われる。
ウォーターフォールモデルとは異なる開発プロセスのモデルとして、「スパイラルモデル」や「インクリメンタルモデル」「プロトタイピングモデル」などが提唱されている。これらは一度で全体を作ろうとせずに、少しずつ完成度を高めていく方法論を取っている。また、現代では「アジャイル開発モデル」と総称される反復的な開発手法が普及し、小規模なチームで迅速にソフトウェア開発を行う場合に適用されている。
(2025.9.1更新)
「ウォーターフォールモデル」の関連用語
他の用語辞典による「ウォーターフォールモデル」の解説 (外部サイト)
資格試験などの「ウォーターフォールモデル」の出題履歴
▼ ITパスポート試験
【平30春 問54】 一般的なウォータフォールモデルで開発を行うプロジェクトにおいて、プロジェクトの経過とともに必要となる要員の数と、変更や問違いが発生したときに訂正作業に掛かる1件当たりのコストについて図にしたもののうち、適切な組合せはどれか。
【平28秋 問46】 ソフトウェア開発モデルには、ウォータフォールモデル、スパイラルモデル、プロトタイピングモデル、RADなどがある。ウォータフォールモデルの特徴の説明として、最も適切なものはどれか。
【平27秋 問43】 ウォータフォールモデルで開発を行うプロジェクトにおいて、システム要件定義の不具合を後続の工程で発見した。不具合を発見した工程のうち、不具合の修正や修正に伴う手戻りが最も少なく済む工程はどれか。
【平27春 問32】 ソフトウェア開発モデルの一つであるウォータフォールモデルの記述として、適切なものはどれか。
【平25秋 問34】 ソフトウェア開発プロジェクトにおいて、上流工程から順に工程を進めることにする。要件定義、システム設計、詳細設計の工程ごとに完了判定を行い、最後にプログラミングに着手する。
【平21春 問38】 ソフトウェア開発プロセスを“要件定義”、“システム設計”、“プログラミング”、“テスト”の各工程に区切って、この順に進める手法の長所はどれか。
▼ 基本情報技術者試験
【平27修12 問53】 ウォータフォール型のソフトウェア開発において,運用テストで発見された誤りの修復に要するコストに関する記述のうち,適切なものはどれか。
【平26修6 問53】 ウォータフォール型のソフトウェア開発において,運用テストで発見された誤りの修復に要するコストに関する記述のうち,適切なものはどれか。
【平25修1 問55】 ウォータフォール型のソフトウェア開発において,運用テストで発見された誤りの修復に要するコストに関する記述のうち,適切なものはどれか。
【平23春 問53】 ウォータフォール型のソフトウェア開発において,運用テストで発見された誤りの修復に要するコストに関する記述のうち,適切なものはどれか。
【平22修12 問51】 ウォータフォールモデルの説明として,適切なものはどれか。
【平21秋 問49】 ウォータフォールモデルによるシステム開発工程の作業内容 a~f を,実施する順序で並べたものはどれか。〔作業内容〕a 現状の問題点を調査・分析し,対象システムへの要求を定義する。
【平21春 問45】 システム開発におけるウォータフォールモデルの説明はどれか。