Windows

概要

Windowsとは、米マイクロソフト(Microsoft)社が開発・販売している、コンピュータオペレーティングシステム(OS)製品のシリーズ名。単にWindowsといった場合にはパソコン向けの製品系列を指すことが多いが、他にサーバ向けや携帯機器向けなども展開している。

小型の個人用コンピュータであるパーソナルコンピュータPC/パソコン)を使用するためのOSとして全世界で支配的な市場シェアを有し、事実上の標準として広く普及している。単体のパッケージとして販売もされているが、多くのパソコン製品にはあらかじめ同梱されており、パソコンを購入して起動するとすぐにWindowsを使うことができるようになっている。

インテルIntel)社のx86系マイクロプロセッサCPU/MPU)を対象にした製品がメインで、同社製プロセッサや他社の互換プロセッサを搭載したパソコンの標準仕様である、いわゆるPC/AT互換機で動作する。IntelプロセッサとWindowsの圧倒的な普及率から、両者を組み合わせたコンピュータ製品(や両社の強い結びつき)を「Wintel」(ウィンテル)と呼ぶことがある。

Windowsの標準の表示・操作体系はGUIグラフィカルユーザーインターフェース)を基本としており、図形や画像などによる表示、マウスタッチパネルによる画面上の位置を指定する操作法を多用する。OSの管理するデスクトップと呼ばれる画面上で、各アプリケーションソフトウィンドウと呼ばれる矩形の表示領域が与えられ、複数のソフトを並行して起動・表示し、切り替えて操作することができる。

長年の間に数多くのバージョン開発され、製品系統も派生や統合を繰り返してきたが、現在中心となっているのはデスクトップ向けのWindows 10サーバ向けのWindows Serverシリーズで、これにスマートフォン向けのWindows 10 Mobile、組み込み機器向けのWindows 10 IoTなどが加わる。

歴史

最初のバージョンは1985年に発売され、1992年の「Windows 3.1」までは当時の同社の基幹OS製品であるMS-DOSGUI拡張ソフトだった。1995年の「Windows 95」からは単体のOS製品として開発され、家庭やオフィスへのパソコンの爆発的な普及の波に乗って一気に社会に浸透していった。

一般市場向けのWindows 95、「Windows 98」(1998年)、「Windows ME」(Windows Millenium Edition/2000年)は「Windows 9x」と総称され、MS-DOS時代の古い設計を引きずった「9xカーネル」と通称されるOSの中核部分で動作していた。

一方、初期のWindowsと並行して完全にゼロから設計された新しい「NTカーネル」を基盤開発されたのが「Windows NT」シリーズで、高いセキュリティ堅牢性、安定性が求められるワークステーションサーバなど業務用の小型コンピュータ向け市場に投入された。

2001年の「Windows XP」からは一般向けWindowsもNT系列の設計が採用され、古い9x系統の製品は廃止となった。同時期にWindows NTの名称も廃止され、業務向けは2000年に「Windows 2000」(Workstation/Server)が発売されたが、業務用デスクトップ用途はWindows XP以降の一般向けWindowsの上位エディション(Professional/Business/Ultimate等)に統合され、サーバ向けのみが「Windows Server」シリーズとして独立した。

Windows XP以降のデスクトップ向け製品は「Windows Vista」(2007年)、「Windows 7」(2009年)、「Windows 8」(2012年)、「Windows 10」(2015年)とバージョンアップしていった。Intel社や米AMD社のプロセッサ製品が64ビット化(x86-64/Intel 64)していくのに伴い、これらの製品には32ビット版と64ビット版(x64版)が用意された。Windows 8と並行してARMプロセッサを内蔵した安価なタブレット端末向けとして「Windows RT」が展開されたが、Windows 10世代には引き継がれず終息した。

Windows Serverシリーズは初代の「Windows Server 2003」(2003年)、「Windows Server 2008」(2008年)、「Windows Server 2008 R2」(2009年)、「Windows Server 2012」(2012年)、「Windows Server 2012 R2」(2013年)、「Windows Server 2016」(2016年)とバージョンアップしていった。当初はデスクトップ版同様32ビット版とx64版が並行してリリースされたが、Windows Server 2008 R2から32ビット版が廃止され64ビット版のみの提供となった。

組み込み向けWindows

汎用コンピュータ向けとは別の系統として、デジタル家電や産業機器などの組み込みシステム向けとして1996年に「Windows CE」(2006年以降は「Windows Embedded」)が生まれた。POSシステムカーナビゲーションシステム、家庭用ゲーム機などに採用された。

IntelプロセッサだけでなくMIPSやPowerPCARMなど組み込み向けの様々なプロセッサに対応し、携帯情報端末向けの「Handheld PC」「Pocket PC」、車載機器向けの「Windows CE for Automotive」、携帯電話向けの「Windows Mobile」、スマートフォン向けの「Windows Phone」など用途に応じた派生製品が展開された。

2015年のWindows 10の登場時に組み込み向けも再編・統合され、スマートフォン向けはWindows 10 Mobile、他の組み込み機器向けはWindows 10 IoTの名称で展開されることになった。

(2018.8.30更新)

Windows用語辞典

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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