PDA 【Personal Digital Assistant】 パーソナルデジタルアシスタント

概要

PDA(Personal Digital Assistant)とは、かつて存在した情報機器の製品分類の一つで、手のひらサイズの個人用の携帯情報端末のこと。内蔵されたソフトウェアで様々な情報の記録や処理、外部との通信が可能だった。

乾電池や内蔵充電池(バッテリー)で駆動し、筐体前面に液晶画面やボタンなどを備え、持ち歩いて手に持って操作できる。折り畳み型でキーボードを備えた製品や、液晶画面に指やペンで触れて操作するタッチパネルを備えた製品もある。

いわゆる電子手帳から進化した製品群と、ノートパソコンをさらに小型化した製品群があり、後者の方が高機能だが、携帯性や連続稼働時間などは前者の方が優ることが多かった。高機能な機種はパソコンと同じように外部からソフトウェアを追加することができるものもあった。

様々な機能やソフトウェアを内蔵し、カレンダーやスケジュール管理、メモ、電子辞書、ToDo管理、電話帳や住所録、電卓、簡易なゲームなどの機能が標準的に提供されていた。製品によってはカメラや動画・音声再生機能、インターネット接続機能(Webブラウザ電子メールクライアント)など高度な機能を内蔵した製品もあった。

通信機能としてはパソコンと接続するためのシリアルポートUSB、同種の機器同士と通信するための赤外線通信(IrDAなど)などを備えた機種が多かった。アナログモデムで電話回線を介してインターネット接続したり、イーサネット端子を介して構内ネットワークLAN)に接続できる製品もあった。

歴史

1980年代の英サイオン(PSION)社の製品などが先駆けとされるが、本格的に認知されるようになったのは1990年代前半頃からとされる。コンピュータメーカーや通信機器メーカー、家電メーカー、電子機器メーカーなど様々な企業から多種多様な製品が発売された。「PDA」という用語自体は、米アップルApple)社が1992年に発売した「Newton」のために使い始めたのが最初とされる。

2000年代前半になると日本では高機能化した携帯電話フィーチャーフォン)に取って代わられるようになり、2000年代後半には世界的に「iPhone」「Android」に代表されるスマートフォンタブレット端末にその座を譲った。現在ではPDAという製品区分を用いることはほとんどなくなり歴史的な用語となっている。

(2024.1.10更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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