ICレコーダー 【デジタルボイスレコーダー】 digital voice recorder

概要

ICレコーダー(デジタルボイスレコーダー)とは、記憶媒体フラッシュメモリを採用した小型の録音機器。ボイスレコーダーの一種で、カセットテープに録音するテープレコーダーに代わって広く普及しており、現在ではボイスレコーダーと言えばIC型のものを指す。

手のひらサイズの筐体にフラッシュメモリなど不揮発性メモリIC半導体集積回路)を内蔵し、マイクから集音した音をデジタルデータに変換して記録する。一般的な製品は音声圧縮に対応し、CD並からアナログ電話並まで音質を選択でき、高音質なら短時間、音質を下げれば長時間(製品によっては数十時間)録音することができる。

筐体前面に液晶画面やボタンを備え、画面を見ながら録音の開始や終了、動作モードの変更、データの再生や削除などをうことができる。スピーカーやイヤホン端子を備え、録音だけでなく記録した音声を再生することもできる。パソコンなど外部の機器との接続はUSBケーブルう場合が多いが、SDメモリーカードを差し込んでこれに記録する製品もある。

テープレコーダーに比べると(最高)音質が高く、可動部がないため振動や衝撃に強く、デジタル記録のため媒体の物理的な状態を原因とする音質の劣化が起きない。カセットの形状に縛られないためサイズも小さく、棒型や薄型など形状のバリエーションも豊富である。

洋服のポケットなどに収納してもまったく目立たないサイズの製品もあるため、相手や周囲に気づかれずに会話などを録音する「隠し録り」が誰でも簡単にできるようになり、トラブルの原因になる事例も見られる。

リニアPCMレコーダー (linear PCM recorder)

ICレコーダーのうち、リニアPCM形式での記録に対応した製品のこと。音声圧縮に伴う音質の劣化を伴わずに録音することができる。

リニアPCMは集音した音波をデジタル変換したデータをそのまま記録する方式で、データ圧縮わないためデータ量が膨大になるが、不可逆圧縮方式による音質の劣化を一切生じないメリットがある。

フラッシュメモリの低価格化、大容量化によりICレコーダーに内蔵されるメモリ容量が増えたため、PCM記録でもある程度の長時間を録音することができるようになった。圧縮記録にも対応しているため、従来通り音質を下げて長時間録音することもできる。

(2018.12.11更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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