高校「情報Ⅰ」単語帳 - 実教出版「図説情報Ⅰ」 - 情報デザイン

ブレインストーミング 【ブレスト】 ⭐⭐⭐

集団で行うアイデアの発想法の一つで、参加者が集まって会合を開き、思いつくまま次々自由にアイデアを発言し、互いに刺激し合ってより豊かな発想を促していく手法。

一人では考えつかないようなアイデアを導き出すために行われる会議で、結論を得たり決定を行うことは目的ではない。出た意見やアイデアは会議後に整理したり分析したりして、その後の過程に役立てる。

アイデアをより豊かで創造的なものにするための原則がある。「他の参加者の意見を否定・批判しない」「突飛・奇抜・乱雑・常識外れな意見も歓迎する」「質より量を重視する」「他の参加者の意見から連想したり自分の意見を加えて発展させる」の4つである。

1942年に大手広告代理店グループBBDO創業者の一人として知られるアレックス・オズボーン(Alex Faickney Osborn)氏が著書 “How to Think Up” で提唱したのが始まりとされる。ブレーンストーミングのように集団で創発的な活動を行う技法としては他にKJ法やバズセッションがよく知られる。

KJ法 【KJ method】 ⭐⭐

多数の関連する情報群を分類・分析するための手法の一つ。小さなカードに項目を一つずつ書き出し、グループ化することで情報を整理する。

まず、手元にある情報やデータを小さなカードに一枚一項目で書き出し、広い場所にばらばらに置く。互いに関連が強い、あるいは同じ種類のものを集めてグループ化し、グループの見出しのカードを置く。数が多い場合はグループ同士を集めて大グループを作り、さらに何段階かこの作業を繰り返す。

グループ分けが完了したら、各グループ間の関連性が分かるようにグループを配置しなおし、別の紙にその様子を写しとる。そこに枠や線分、矢印などを書き入れ、それぞれの関連性を明らかにする。この図解を元にテーマを選定したり、文章化してまとめたりする。

1967年に東京工業大学教授で文化人類学者の川喜田二郎氏が考案したもので、フィールドワークで集めた知見を整理するための手法として開発された。「KJ」は同氏の氏名のイニシャルに由来する。製造業の品質管理の手法を体系化した「新QC7つ道具」の一つとしても採用されており、こちらでは「親和図法」の名称で知られる。

ピクトグラム ⭐⭐⭐

情報や指示、案内などを単純化された絵や図形で表したもの。「絵文字」「絵記号」「図記号」などと訳されることもある。言語によらず情報を伝達することができ、街頭や施設内での案内などによく用いられる。

情報や案内を単語や文章で記載するとその言語が読めない人には内容が伝わらないが、様々な場所で共通して使われるピクトグラムを描いておけば、言葉が分からなくても最低限の内容は伝達できる。文字のみの場合よりもよく目立ち、ひと目ですぐに情報が伝わる利点もある。

代表的な例として、公共施設などにあるトイレの男女のマーク、障害者用を表す車椅子のマーク、非常口のマーク、禁煙マークなどがある。その場所における禁止事項や危険についてピクトグラムを列挙した看板などもよく見かける。

図柄は線や図形を組み合わせた単色か二色(背景色を含めれば2~3色)のシンプルなデザインとすることが多い。「赤は禁止、黄色は注意」「青は男、赤は女」といった具合に色の違いに意味が込められている場合もある。

駐車場の「P」マークや案内所の「i」マークのようにアルファベット頭文字をモチーフとする慣例がある少数の事例を除き、文字部分が読めなければ意味が伝わらないデザインにはしないのが原則である。図柄の下などに「立入禁止」のように補助的に内容を表す単語を添えることはある(厳密にはこの部分はピクトグラム本体に含まれないとも言える)。

施設の設置者などが独自にデザインして掲示する例も多いが、社会的に共通してよく使われるものは標準の図柄が国際規格や国内規格で定められている。一般的な案内用のピクトグラムについて国際標準化機構が定めたISO 7001や、危険や警告、禁止などを表す標識を定めたISO 7010、これらを反映して定められた日本国内のJIS規格であるJIS Z 8210(案内用図記号)などがよく知られている。

インフォグラフィック

互いに関連するまとまった量のデータや情報などを、文字や数字、記号、絵文字、図表、イラスト、グラフなどを組み合わせた一枚の画像としてデザインしたもの。

単なるグラフやイラストではなく、様々な視覚的な要素を組み合わせ、色彩や形状、大きさ、配置などをデザインすることにより、一目で概要を把握できるように表現された画像を意味する。アニメーションする動画や対話的に操作できるソフトウェアの形に仕上げたものもある。

日常的によく目にする例として、鉄道の路線図や交通標識、各地の天気予報を地図に重ねて表示した画像、各地域の統計値を地図に書き入れた図などがある。科学技術の分野では、人工物の構造図や自然現象の模式図などに補助的な線や矢印、注釈、数値などを書き入れた画像がよく用いられる。

補色

色相環でちょうど反対の位置にある色の組み合わせのこと。また、ある色の反対側にある色のこと。

様々な色味を、対応する光の波長の連続的な変化に応じて円環状に並べたものを「色相環」(color circle)という。波長が最長の赤の隣に最短の紫を繋いで環状としている。この中で、ちょうど環の反対側にある色同士を補色という。

色相環の色と位置の対応関係は色の表現方法(表色系)によって微妙に異なるため、系によって色の組み合わせも異なるが、絵の具や印刷物など減法混色の系でよく知られるRYB色相環やマンセル色相環では「赤-緑」「黄-紫」「青-橙」の組み合わせがよく知られる。

補色の組み合わせは互いがくっきりと際立つ効果があるため、目立たせたい場所などに使うと効果的であるとされる。ただし、明度の赤い補色同士を直接隣り合わせると目がチカチカしてかえって見にくい状態になることがある。

類似色

色相環で隣や近くにある色の組み合わせのこと。また、ある色の近くにある別の色のこと。

様々な色味を、対応する光の波長の連続的な変化に応じて円環状に並べたものを「色相環」(color circle)という。波長が最長の赤の隣に最短の紫を繋いで環状としている。この中で、位置が近い色同士を類似色という。

色相環の色と位置の対応関係は色の表現方法(表色系)によって微妙に異なるが、おおむね赤-赤紫-紫-青紫-青-水色-エメラルドグリーン-緑-黄緑-黄-橙-赤の順に並んでいる。この中で、例えば、「黄-橙-赤」や「緑-水色-青」、「青紫-赤紫-赤」といった組み合わせが類似色となる。

配色で類似色の組み合わせを用いると統一感や安定感が増し、暖色の組み合わせであれば明るさや優しさ、寒色の組み合わせであれば落ち着きや涼しさなどを演出することができる。一方、色相環で反対側にある色同士の組み合わせは「補色」と呼ばれ、対照的で目立つ組み合わせとされる。

色相環 ⭐⭐

様々な色味を、対応する光の波長の連続的な変化に応じて円環状に並べたもの。波長が最長の赤の隣に最短の紫を繋いで環状としている。

光は波長の違いにより人の目にそれぞれ異なった色として映り、赤、青、緑といった人間が感じる色の種類(色味)のことを「色相」(hue)という。波長の変化に応じて連続的に色味が変化する様子を円環状に表したものを色相環という。

色と位置の対応関係は色の表現方法(表色系)によって微妙に異なるが、名前のある主な色で言うと赤-赤紫-紫-青紫-青-水色-エメラルドグリーン-緑-黄緑-黄-橙-赤の順に並ぶ。いわゆる「光の三原色」(赤・緑・青)や「色の三原色」(水色・薄紫・黄)は、概ね各色が120度ずつ離れた配置となる。

色相環で隣や近くにある色同士を「類似色」、中心を挟んでちょうど反対側にある色同士を「補色」という。補色については表色系によって色の組み合わせも微妙に異なるが、絵の具や印刷物など減法混色の系でよく知られるRYB色相環やマンセル色相環では「赤-緑」「黄-紫」「青-橙」などが補色となる。

トリミング 【トリム】

刈り込む(こと)、切り取る(こと)、整頓(する)、仕上げ(る)、などの意味を持つ英単語。端から一定の長さや割合を切り取って小さく(短く)する操作などのことを意味する。

写真や画像、図版などでは、全体の中で必要な部分だけを取り出して強調するために、不要な周縁部を切り取って排除する処理や操作をトリミングという。

映像の場合は、主に縦横比(アスペクト比)の調整のために上下あるいは左右を一定の割合で切り落として調整することをトリミングという。映画をアナログテレビ放送する際に左右をカットしてアスペクト比を4:3にする処理などが該当する。一方、写真の場合ように被写体の強調のために一部を切り取って拡大する処理や作業のことは「クロッピング」(cropping)という。

プログラミングやデータベースの分野では、文字列データの先頭や末尾に含まれる空白文字などを削除する操作のことをトリミングという。また、ログなど時系列に蓄積されていくデータなどについて、一定の条件や基準に基づいて自動的に削除する処理のことをトリミングという場合もある。

円グラフ 【パイチャート】

数値データを図示するグラフの一つで、円の中を大小の扇形に区切って各項目に対応付け、扇の面積によって各項目の大きさを表すもの。各項目の全体に占める割合を一目で比較できる。

円全体が全項目の値の和(100%)に相当し、各項目を全体に占める割合に従って扇形で示す。時計でいう0時方向から時計回りに配置するのが一般的である。あまりに構成比の小さな項目は細すぎて見にくいため、最下位の位置に「その他」としてまとめる。

各項目が独立している場合は大きい順に並べるのが原則だが、項目間にグループ関係や何らかの順序性がある場合にはそちらに従って配置することがある。例えば、アンケートの回答が「とてもそう思う」「そう思う」「どちらとも言えない」「そう思わない」「まったくそう思わない」であれば、構成比に関わらずこの順に並べる。議会の勢力図であれば、右側に与党系、左側に野党系、中央に独立系とすると分かりやすい。

英語では切り分けたパイになぞらえて “pie chart” (パイチャート)と呼ぶことが多い。バリエーションとして、中心を空けて表題などを書き入れた「ドーナツグラフ」、複数の系列や各項目の内訳などを同心円状に重ねる「二重円グラフ」などがある。ソフトウェアによっては厚みのある円盤状の「3D円グラフ」を描画する機能もあるが、3D化すると扇の面積比が歪むため好ましくないとする考え方もある。

折れ線グラフ

数値データを図示するグラフの一つで、各項目を点で表し、隣接する項目同士を線分で結んで推移を折れ線で表したもの。時系列の変化などを表すのに適している。

縦軸に量、横軸に時間を取り、各時点における量の大きさを点で示す。隣接する点同士を端から順に線分で繋いでいくことで、すべての点を一つの折れ線で結びつける。線分が右上がりの箇所は増加、右下がりの箇所は減少を表し、折れ線の上下で量の時系列の変化を視覚的に把握することができる。

同じグラフに複数の異なる系列を表す折れ線を重ねて描画したり、折れ線グラフと棒グラフを重ねて描画することもあり、複数の項目の変化を直感的に把握することができる。複数の系列を重ねる場合は実線と折れ線、破線を使い分けたり、線を色分けしたり、点を表す図形(●▲■など)を変えるなどして見分けやすいようにする。

棒グラフ 【バーチャート】

数値データを図示するグラフの一つで、各項目の大きさに対応する長さの棒を縦または横に並べたもの。片方の端の位置が揃っており、棒の長さで各項目の大きさを一目で比較できる。

同じ幅の細長い棒(長方形)を並べた図で、棒の長さが各項目の大きさを表している。垂直に伸びる棒を横に並べた「縦棒グラフ」と、水平に伸びる棒を縦に並べた「横棒グラフ」がある。縦棒の場合は下端を、横棒の場合は左端を揃えて並べる。

項目の並び順は図で示したい内容に応じて決められるが、左端や上端から値の大きい順に並べる場合や、年齢のように項目の順序や大きさに従って並べる場合がある。項目が時系列の場合は過去から順に並べることが多い。

バリエーションとして、棒を区切って内訳を示す「積み上げ棒グラフ」、棒の長さを揃えて内訳の比率の比較や変化を示す「100%積み上げ棒グラフ」、一つの項目に複数の細い棒を並べて時系列の変化などを表す「集合棒グラフ」などがある。折れ線グラフなどと組み合わせて複合グラフとする場合もある。ソフトウェアによっては棒の並びを3次元的に描画する「3D棒グラフ」の機能が利用できる場合もあるが、3D化すると棒の長さの比が歪むため好ましくないとする考え方もある。

散布図 【分布図】 ⭐⭐⭐

一つのデータが複数の量や特性の組として表される場合に、二つの値の間の関係を明らかにするために作成される図。縦軸と横軸にそれぞれ別の特性を割り当て、各データについて対応する位置に点を打って作図する。

点の分布する様子を見て、データを構成する二つの量の間に関連があるか、どのような関連があるかを知ることができる。例えば、点が右上がりの帯状に分布していれば正の相関があると分かり、(左上から)右下がりなら負の相関があると分かる。まんべんなく散らばっていれば相関が薄いか無さそうであると考えられる。

全体の傾向から大きく外れた特異点(外れ値)がどこにあるかも容易に知ることができ、これを除外して計算を行ったり、外れた理由を詳しく調べたりすることもある。また、全体に当てはまる傾向を調べるだけでなく、点の集まり具合から二つの量の関係が同じ傾向を示している項目群をグループ分け(グルーピング)するといった使い方をする場合もある。

レーダーチャート 【クモの巣グラフ】

グラフの種類の一つで、複数の項目の大きさを中心点からの距離で表したもの。各項目の大きさを同じ尺度で一覧し、項目間のバランスや全体的な傾向を図形の形状や大小で把握できる。

各項目の軸を図の中心を原点として放射状に伸ばし、それぞれの軸上に各項目の値をプロットする。隣接する項目同士を線分で結んでできた多角形が、対象の各項目の傾向を表している。

突出して高い項目や低い項目があると対応する角に大きな凹凸ができ、多角形のいびつさでバランスの良し悪しを視覚的に表現できる。また、値が全体的に高ければ多角形の面積が広く、低ければ狭くなる。

各軸は隣の軸となす角度がすべて等しくなるように配置し、最大値同士を線で結ぶと正多角形になる。途中の目盛りを結んだ線はクモの巣のような形になるため、「クモの巣グラフ」(spider chart)とも呼ばれる。

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