高校「情報Ⅰ」単語帳 - 実教出版「高校情報Ⅰ Python」 - データの収集・整理・分析

オープンデータ ⭐⭐⭐

誰でも自由に入手や使用、加工、再配布などができるよう広く一般に公開されているデータ。特に、ソフトウェアなどによる自動処理に適した一定のデータ形式に整理・整形された機械可読(マシンリーダブル)なもの。

データの中には著作権などによって保護されていたり、所有者によって入手や利用に制限が課せられ、手続きや対価が必要なものが多くある。オープンデータはこのような制約から解放され、営利・非営利を問わず誰でも自由に使用や再配布が可能なデータを指す。

こうしたデータ公開が期待され、また積極的に行われているのは主に学術・科学分野や公共分野である。大学や研究機関の持つ科学的な資料や、政府や自治体などの公的機関の持つ公共的な情報や、事業などで調査・収集した統計データなどの公開が進められている。

行政などのデータ公開・提供はこれまでも白書やWebサイトなどの形で行われてきたが、これはもっぱら人間が閲覧するための文書として発行されたものであり、ソフトウェアで解析・加工するには人間の手で整形しなければならなかった。オープンデータではコンピュータ上での自動処理を前提としたデータ形式が求められ、XMLやCSVファイル、Excelファイル(XLSXファイル)などの形で提供される。

ある完結したひとまとまりのデータ集合を「データセット」と呼び、これを一つのファイルなどに(複雑・大規模な場合はいくつかに分割して)記録してWebサイトなどで公開する。複数のデータセットを公開する機関やサイトでは、どこにどんなデータセットがどのような形式で公開されているかをまとめた「データカタログ」が作成されることが多い。

2000年代後半頃から、米連邦政府の「Data.gov」や日本政府の「データカタログサイト」(DATA.GO.JP)など、政府機関が提供している様々なオープンデータをまとめたデータカタログや専用のWebサイトを公開する国が増えている。

量的データ 【量的変数】 ⭐⭐⭐

調査や観測などで得られたデータのうち、物事の量的な側面を表す数値データのこと。長さ、重さ、人数、金額など大小や高低の程度を反映したデータである。

数で表され、数の大きさが量の多寡や性質の強さ、度合いを反映しているようなデータをこのように呼ぶ。物事の質的な側面を表す「質的データ」(質的変数)と対比される。

量的データを測る尺度のうち、数の間隔に意味があるものを「間隔尺度」という。数の間隔が量の大きさを反映している尺度で、温度の摂氏(℃)や年号などが当てはまる。原点が量的な「0」を表さないため値同士の比率には意味がない。

一方、間隔だけでなく値そのものの比に意味があるような尺度を「比例尺度」という。数がそのまま量の大きさを反映しているような尺度で、長さ、面積、体積、重さ、時間、速度、絶対温度、人数、金額など多くの量的データは比例尺度で表される。数で表されていても、数が順序や順位しか表さない、ランキングや段階評価、段位のような「順序尺度」のデータは含まない。

質的データ 【質的変数】 ⭐⭐⭐

調査や観測などで得られたデータのうち、物事の質的な側面を表すデータのこと。数で表されないような記録や、数値の場合は値自体や値同士の差の比率には意味がないようなデータである。

性別や血液型、「はい」「いいえ」を選択するアンケート項目、色、形状など、結果を数値で表すことができないデータや、数字で表されていても自動車ナンバーや電話番号のように大小に意味がない「名義尺度」のデータが含まれる。物事の量的な側面を表す「量的データ」(量的変数)と対比される。

また、数の大小が順位や順序を表していても、間隔や比には意味がない「順序尺度」の数値データも質的データに分類される。例えば、競技の順位、成績やアンケートなどの段階評価、検定制度の段位や級などは、上位と下位の区別はできても度合いを数量比較することはできないため質的データに分類される。

外れ値 ⭐⭐⭐

調査や測定、観測などで同種のデータをいくつも取得したとき、全体のデータの傾向から大きく外れた値のこと。統計処理などの際に一定の基準を設けて除外することがある。

収集したデータ全体の分布が何らかの傾向を示すとき、この傾向から大きく外れた値のことを外れ値という。このうち、測定機器の不具合や記入ミスなど、何らかの誤りによっておかしな値になってしまったものは「異常値」という。対象や方法によって、異常値と異常値以外の外れ値を区別できる場合とできない場合がある。

外れ値を含んだデータをそのまま分析すると、平均値や相関係数などの統計量に大きな影響を与え、歪んだ結果が導き出されることがある。このため、一定の基準を設けて外れ値を取り除く操作を行うことがある。

よく用いられる手法として、箱ひげ図を描いて「第1四分位数-箱の幅×1.5以下」「第3四分位数+箱の幅×1.5以上」のデータを外れ値と判定する方法がある。また、平均値や標準偏差などから特定の統計量を算出し、基準値を設けて判定する方法もある。こうした検定にはスミルノフ・グラブス検定やトンプソン検定などが知られている。

なお、用意した結論に都合のよいデータのみを残してそれ以外を外れ値として排除することはデータの改竄とみなされる可能性があるため値の削除は慎重に行う必要がある。どんな調査や観測でも、現実の対象を調べれば全体の傾向から外れたサンプルが存在するのは普通のことであるため、異常値として理由が説明できる値以外は恣意的に取り除くべきではないとする考え方もある。

欠損値 【欠測値】 ⭐⭐⭐

調査や測定、観測などでデータを収集した際、あるデータの記録場所を参照してもデータが記録されておらずに欠けていること。一定周期で観測値を記録するシステムでデータが欠けた時刻がある場合などが該当する。

観測において、装置の不具合や操作ミスなどで測定値が得られなかった状態や、調査において特定の記入項目が空欄で記載されていない状態などを指す。値は存在するが傾向から大きく外れている「外れ値」や、装置故障やミスなどでおかしな値になってしまった「異常値」とは異なる。

観測における欠測などは機械的に取り除いて分析することが多いが、調査では記入が任意の項目が複数ある場合などに完全にデータが揃っているサンプルが十分な数揃わないこともある。そのような場合には欠損の多い項目を解析から外したり、平均値などの代表値で穴埋めしたり、他の項目の値が似ているサンプルのデータで補完するといった操作を行うことがある。

尺度 ⭐⭐

対象の測定や計量、評価などを行うときの基準。特に、結果を数字に対応付けるための規則を指すことが多い。定規やメジャーなど長さを測る道具を尺度と呼ぶこともある。

尺度水準 (level of measurement)

統計的な変数やその値を、情報の性質に基づいて分類したものを「尺度水準」という。1946年に米心理学者スタンレー・スティーブンズ(Stanley S. Stevens)が提唱した、「名義尺度」「順序尺度」「間隔尺度」「比例尺度」の4段階に分類する考え方が広く普及している。

「名義尺度」(類別尺度)は対象や状態を区別するためだけに(便宜上の)数字を割り当てたもので、値が同じか異なるかしか評価することができない。順序や大きさ、比率などに意味はなく、計算を行うこともできない。例えば、電話番号の国番号は米国が1、日本が81だが、日本が何かの大きさで81位であるとか、何かが米国の81倍であるというわけではない。

「順序尺度」は数字の大小が順序を表すような尺度である。大きさを比較したり順位を付けることができるが、他の値との差や比率には意味がなく、計算を行うことはできない。競技の順位、成績やアンケートなどの5段階評価、検定制度の段位や級などが該当する。「将棋8段は4段より強い」とは言えるが、「2倍強い」といった比較はできない。

「間隔尺度」は数字が順序を表すとともに間隔に意味があるような尺度である。値の差が等しければ同じ間隔が空いていることを意味するが、「0」で表される点は便宜上置いたもので、値の比には意味がない。例えば、摂氏5度が15度になるのと15度が25度になるのは同じ幅だけ温度が上昇したと言えるが、摂氏15度は5度の3倍の温度やエネルギーであるとは言えない。

「比例尺度」(比率尺度)は数字が順序や間隔を表すともに、「0」に原点としての意味があり、値の比や割合も議論することができる尺度である。長さ、重さ、時間、速度、絶対温度などの物理量、金額などが該当する。これらの尺度水準には上下関係があり、名義、順序、間隔、比例の順に水準が高くなる。高い水準の尺度は自身より低い水準の尺度を兼ねている。

尺度 ⭐⭐

対象の測定や計量、評価などを行うときの基準。特に、結果を数字に対応付けるための規則を指すことが多い。定規やメジャーなど長さを測る道具を尺度水準と呼ぶこともある。

尺度水準 (level of measurement)

統計的な変数やその値を、情報の性質に基づいて分類したものを「尺度水準」という。1946年に米心理学者スタンレー・スティーブンズ(Stanley S. Stevens)が提唱した、「名義尺度」「順序尺度」「間隔尺度」「比例尺度」の4段階に分類する考え方が広く普及している。

「名義尺度」(類別尺度)は対象や状態を区別するためだけに(便宜上の)数字を割り当てたもので、値が同じか異なるかしか評価することができない。順序や大きさ、比率などに意味はなく、計算を行うこともできない。例えば、電話番号の国番号は米国が1、日本が81だが、日本が何かの大きさで81位であるとか、何かが米国の81倍であるというわけではない。

「順序尺度」は数字の大小が順序を表すような尺度である。大きさを比較したり順位を付けることができるが、他の値との差や比率には意味がなく、計算を行うことはできない。競技の順位、成績やアンケートなどの5段階評価、検定制度の段位や級などが該当する。「将棋8段は4段より強い」とは言えるが、「2倍強い」といった比較はできない。

「間隔尺度」は数字が順序を表すとともに間隔に意味があるような尺度である。値の差が等しければ同じ間隔が空いていることを意味するが、「0」で表される点は便宜上置いたもので、値の比には意味がない。例えば、摂氏5度が15度になるのと15度が25度になるのは同じ幅だけ温度が上昇したと言えるが、摂氏15度は5度の3倍の温度やエネルギーであるとは言えない。

「比例尺度」(比率尺度)は数字が順序や間隔を表すともに、「0」に原点としての意味があり、値の比や割合も議論することができる尺度である。長さ、重さ、時間、速度、絶対温度などの物理量、金額などが該当する。これらの尺度水準には上下関係があり、名義、順序、間隔、比例の順に水準が高くなる。高い水準の尺度は自身より低い水準の尺度を兼ねている。

比例尺度 【比率尺度】

統計などで用いられる数値データの尺度のうち、数字が順序や間隔を表すともに、値の比や割合も議論することができるもの。

統計的な変数やその値を、情報の性質に基づいて分類したものを「尺度水準」という。1946年に米心理学者スタンレー・スティーブンズ(Stanley S. Stevens)が提唱した、「名義尺度」「順序尺度」「間隔尺度」「比率尺度」の4段階に分類する考え方が広く普及している。

比率尺度は最も高い水準の尺度で、数字がそのまま何らかの量の大きさを表している。値の「0」は「存在しない」ことを表す原点であり、値の間隔や比には意味がある。加減乗除などの計算も行うことができ、すべての統計量を使うことができる。

例としては、長さや面積、体積、重さ、時間、速度、絶対温度などの物理量、金額、個数などが該当する。一段階低い水準の間隔尺度である摂氏では27℃が54℃になったからといって温度が2倍になったとは言えないが、絶対温度600K(約327℃)は300K(約27℃)の2倍の温度と言うことができる。

順序尺度 ⭐⭐⭐

統計などで用いられる数値データの尺度のうち、数字の大小が順番や順位を表すようなもの。大小や高低、前後の比較はできるが、値の差や比には意味がない。

統計的な変数やその値を、情報の性質に基づいて分類したものを「尺度水準」という。1946年に米心理学者スタンレー・スティーブンズ(Stanley S. Stevens)が提唱した、「名義尺度」「順序尺度」「間隔尺度」「比例尺度」の4段階に分類する考え方が広く普及している。

順序尺度は名義尺度に次いで2番目に低い水準の尺度で、数字の大小で順序を表すことができる。大きさを比較したり順位を付けることができるが、値同士の差や他の値との比、割合などには意味がなく、値の計算を行うこともできない。統計量としては度数や最頻値に加え、中央値や四分位数、パーセンタイルなどが使用できる。

例としては、競技の順位、成績やアンケートなどの段階評価、検定制度の段位や級、自動車保険の等級、がんのステージ、国際原子力事象評価尺度などが該当する。「将棋8段は4段より強い」とは言えるが、「2倍強い」といった比較はできない。

間隔尺度 ⭐⭐⭐

統計などで用いられる数値データの尺度のうち、数字の大小が順序を表すと共に、2つの値の差の大きさに意味があるもの。値の比には意味がない。

統計的な変数やその値を、情報の性質に基づいて分類したものを「尺度水準」という。1946年に米心理学者スタンレー・スティーブンズ(Stanley S. Stevens)が提唱した、「名義尺度」「順序尺度」「間隔尺度」「比例尺度」の4段階に分類する考え方が広く普及している。

間隔尺度は比例尺度についで2番目に高い水準の尺度で、数字の間隔が量の大きさを表すような尺度である。値の差が等しければ同じ間隔が空いていることを意味するが、「0」で表される点は量が0になる原点ではなく便宜上置いたものである。値自体の比には意味がないが、値の差同士の比には意味がある。統計量としては最頻値や中央値、パーセンタイルなどに加え、平均値(相加平均)や標準偏差、相関係数なども使うことができる。

例としては、温度の摂氏(℃)や華氏、西暦や元号で表した年、日付などがある。15℃が20℃になるのと20℃が30℃になるのでは2倍の温度上昇が生じたと言うことができるが、15℃が30℃になったのを温度が2倍に上昇したと言うことはできない。

名義尺度 【類別尺度】 ⭐⭐⭐

統計などで用いられる数値データの尺度のうち、対象や状態を区別するためだけに(便宜上の)数字を割り当てたもの。値は順番や順位を意味せず、値の差や比にも意味はない。

統計的な変数やその値を、情報の性質に基づいて分類したものを「尺度水準」という。1946年に米心理学者スタンレー・スティーブンズ(Stanley S. Stevens)が提唱した、「名義尺度」「順序尺度」「間隔尺度」「比例尺度」の4段階に分類する考え方が広く普及している。

名義尺度は最も低い水準の尺度で、数字は対象や状態を識別する名前の役割しか果たさず、量的な意味合いを一切もたない。値が同じか異なるかを見分けるためだけに使用することができ、順序、間隔、大きさ、比率などを表すことはできず、値の計算にも意味がない。統計量としては各値の度数や出現頻度、最頻値などを求めることはできる。

例としては、電話番号や郵便番号、学籍番号、背番号、国際電話の国番号、総務省の都道府県コードなどがある。例えば、都道府県コードで「10」が群馬県、「20」が長野県だが、群馬県が何かで10位であるとか、長野県の何かが群馬県の2倍であるといった意味はない。

インデックス

索引、見出し、添字、指数などの意味を持つ英単語。ITの分野では、書籍の巻末の索引のように、多数のものの中から特定の対象をすばやく見つけ出すため識別情報や、整列された所在情報の一覧などを指すことが多い。

プログラミングなどの分野では、同種の複数のものが並んでいるときに、個々の要素を区別するために付けられた通し番号などの識別情報をインデックスという。配列の要素を指し示す添字などが該当する。

データベースやファイルシステム、検索エンジンなどでは、収集・格納された大量のデータをすばやく検索・抽出するために作成された索引データをインデックスという。データ本体を端から順に探すよりも圧倒的に短い手順で目的のデータを探し出せる。

具体的には、見出しとなる識別符号と、データ本体のある所在情報などを対応付け、整列・分類などを行ったあと木構造やハッシュテーブルなど検索に適したデータ構造に格納したものを指すことが多い。

CSV 【Comma-Separated Values】

テキスト(文字)データの形式の一つで、項目をカンマ「,」で区切って列挙したもの。複数の項目をレコードとしてまとめる場合は、改行でレコードの区切りを表す。表形式で項目が並んだデータの保存に用いられる。

表のように項目が縦横に並んだデータを記述することができる形式の一つで、標準のファイル拡張子は「.csv」。表計算ソフトやデータベースソフトなど多くのソフトウェアが標準で対応している。異種システム間のデータ交換などで古くから広く用いられている。

実体は単純な記法のテキストデータであるため、対応プログラムの開発もしやすく、人間がテキストエディタなどで開いて直接読み書きすることも容易である。反面、アプリケーション固有の複雑なデータや動的なデータ(他のセルの参照や関数など)や、画像などのバイナリデータ、データ全体についての情報(メタデータ)などを記録するのには向いていない。

仕様のばらつき

システムによって「項目をカンマで区切る」以外の仕様には細かな差異がある。例えば、改行文字として「CR+LF」(16進数で0D+0A)を用いるシステムが多いが、システム標準のテキストデータの扱いの違いにより、「CR」(0D)のみの場合や「LF」(0A)のみの場合もある。

また、項目を二重引用符「"」や一重引用符「'」で囲むのを原則とする場合と、文字列型のデータのみを引用符で括る場合、項目内にカンマや引用符、改行など区切り文字が出現する場合に引用符で括る場合などがある。項目内に引用符が現れる場合は「,"私は""神""だ",」のように二文字連続とする。

慣例として先頭行を「氏名,住所,電話番号」のように項目名の列挙とすることが多く、アプリケーションで開いたときに最上段に項目名を表示させることができる。各列が何を表しているのか容易に把握することができるが、そのまま表示・編集することを意図しない自動処理用のファイルなどでは省略してデータ本体のみとすることも多い。

同じ用途の他形式

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CSVと同じように、項目を記号文字や制御文字で分離して改行でレコードを区切る形式は他にもあり、タブ文字(16進数で09)で区切る「TSV」(Tab-Separated Values)形式や、スペース文字(16進数で20)で区切る「SSV」(Space-Separated Values)などがよく知られる。西欧の一部のように数値の桁区切りにカンマを用いる国では、CSVの区切り文字にカンマでなくセミコロン「;」を用いる場合もある。

Microsoft Excelなどの表計算ソフトでは表形式に項目を並べたワークシートを扱うが、標準では各アプリケーション固有のファイル形式(Excelの場合はXLSXファイルなど)でこれを保存する。ほとんどのソフトにはCSVファイルの取り込み(インポート)や書き出し(エクスポート)機能があるため、標準ファイル形式では対応できない他のアプリケーションとのデータ交換などの際にはCSVを利用することがある。

ビッグデータ ⭐⭐⭐

従来のデータベース管理システムなどでは記録や保管、解析が難しいような巨大なデータ群。明確な定義があるわけではなく、企業向け情報システムメーカーのマーケティング用語として多用されている。

多くの場合、ビッグデータとは単に量が多いだけでなく、様々な種類・形式が含まれる非構造化データ・非定型的データであり、さらに、日々膨大に生成・記録される時系列性・リアルタイム性のあるようなものを指すことが多い。

今までは管理しきれないため見過ごされてきたそのようなデータ群を記録・保管して即座に解析することで、ビジネスや社会に有用な知見を得たり、これまでにないような新たな仕組みやシステムを産み出す可能性が高まるとされている。

米大手IT調査会社ガートナー(Gartner)社では、ビッグデータを特徴づける要素として、データの大きさ(Volume)、入出力や処理の速度(Verocity)、データの種類や情報源の多様性(Variety)を挙げ、これら3つの「V」のいずれか、あるいは複数が極めて高いものがビッグデータであるとしている。これに価値(Value)や正確性(Veracity)を加える提案もある。

コンピュータやソフトウェアの技術の進歩は速く、具体的にどのような量や速度、多様さであればビッグデータと言えるかは時代により異なる。ビッグデータという用語がビジネスの文脈で広まった2010年代前半にはデータ量が数テラバイト程度のものも含まれたが、2010年代後半になるとペタバイト(1000テラバイト)級やそれ以上のものがこのように呼ばれることが多い。

近年ではスマートフォンやSNS、電子決済、オンライン通販の浸透により人間が日々の活動で生み出す情報のデータ化が進み、また、IoT(Internet of Things)やM2M、機器の制御の自動化などの進展により人工物から収集されるデータも爆発的に増大している。

また、人工知能(AI)の構築・運用手法として、膨大なデータから規則性やルールなどを見出し、予測や推論、分類、人間の作業の自動化などを行う機械学習(ML:Machine Learning)、中でも、多階層のニューラルネットワークで機械学習を行う深層学習(ディープラーニング)と呼ばれる手法が台頭している。

このような背景から、膨大なデータを的確、効率的に扱う技術上の要請はますます高まっており、統計やデータ分析、大容量データを扱う手法やアルゴリズムなどに精通した「データサイエンティスト」(data scientist)と呼ばれる専門職の育成が急務とされている。

中央値 【メジアン】 ⭐⭐

値の集団があるとき、最大値から最小値まで順に整列したとき順位がちょうど真ん中である値のこと。集団全体の性質を表す代表値の一つとしてよく用いられる。

値を大きい順あるいは小さい順に並べた時、ちょうど真ん中にある値が中央値である。値が偶数個の場合は中央の値が2つになるため、両者の平均値(算術平均)を中央値とする。例えば、「0, 5 ,1, 9, 7」という値の集合がある場合、大きい順でも小さい順でもちょうど3番目が「5」となり、これが中央値となる。

代表値としては値を均した「平均値」(算術平均/相加平均)を用いることが多いが、平均値は極端な値が含まれる場合にその影響を受けやすいという難点がある。例えば、10軒の家があって9軒は車を1台所有しており、残り1軒が11台所有している場合、1軒あたりの平均所有台数は「2台」となるが、実際に2台以上所有しているのは1軒だけである。

このような場合、中央値は5位と6位の中間、すなわち「1台」となり、大半の家が1台のみである実態をよく表している。ただし、時系列の比較などを行う場合、中央値は中央付近の値の動向しか反映しないため、全体の変化の傾向などを表すのには不向きである。

集団の代表値としては平均値、中央値の他にも、同じ値が出現する回数(あるいは区間ごとの頻度)を数え、最も出現頻度が大きいものを取る「最頻値」(mode:モード)を用いることがある。先の車の所有台数の例では最頻値も「1台」である。

移動平均法

過去のデータから将来の値を予測する手法の一つで、直近の幾つかの値を平均し、これを予測値とする方式。経済指標の予測や企業の需要予測、生産計画の策定などに用いられる。

例えば、先月までの販売実績がわかっている時に、先月、先々月、3ヶ月前の値の算術平均を算出し、これを今月の販売量の予測値とする。どのくらい過去に遡って平均を算出するか定まった方法はなく、データの特性などから区間を決定する必要がある。

また、会計の分野では、仕入れた品物(棚卸資産)の単価などを算出する際に、当該物品を購入するたびにその時点の購入金額の合計を購入数量の合計で割って平均単価とする方式を移動平均法という。購入機会ごとに単価が変動する相場商品などの単価を決定する際によく用いられる。

一定期間ごとに平均額を算出する総平均法とは異なり、仕入れごとに平均単価を算出し直すため、計算の手間は増すが常に最新の評価額を把握することが可能となる。会計システムや在庫管理システムなどには移動平均法を適用する機能があらかじめ内蔵されていることが多く、金額と数量を適切に入力・記録していれば自動的に算出される。

四分位数 【第1四分位数】

数値データの集合を小さい順に並べ、同じ数ずつ4等分したときに、区切りとなる3つの値。下から1/4、1/2(中央)、3/4(上から1/4)の位置にある値である。

データを小さい順(昇順)に並べ、同じ個数ずつ4等分する。最も小さい側から1/4となる位置にある数を「第1四分位数」、ちょうど半分の位置にある数を「第2四分位数」、小さい側から3/4の位置にある数を「第3四分位数」という。第2四分位数は中央値に等しくなる。

下から何パーセントの位置にある値かを表す表現である「パーセンタイル」(percentile)を用いると、第1四分位数は「25パーセンタイル」、第2四分位数は「50パーセンタイル」、第3四分位数は「75パーセンタイル」に相当する。

第3四分位数から第1四分位数を引いた値を「四分位範囲」(quartile range)という。この値が小さいほど中心付近にデータが集中し、上位側と下位側のデータが少ないことを表している。四分位範囲の値の半分を「四分位偏差」(quartile deviation)と呼び、散らばり具合の指標としてこちらを用いる場合もある。

期待値

サイコロや宝くじのようにある確率に従って様々な値が得られる試行で、1回の試行で得られる値の平均値。

試行を何度も繰り返したとき、結果を平均するといくつになるかを表したもので、値と値が出る確率の積をすべて足し合わせて求める。例えば、サイコロの1から6が出る確率はすべて 16 で等しいため、期待値は 1×16+2×16+3×16+4×16+5×16+6×16=3.5 と求めることができる。

賭け事では期待値は得られる儲けの平均額と考えることができる。事業として行われている現実の賭け事では胴元の手数料が差し引かれるため、期待値は負の値(平均的には損をして終わる)となることがほとんどである。

なお、一般に期待値や近い値が最も出現しやすいとは限らない。例えば、宝くじは結果が期待値に近くなる「はずれ」が最も出やすいが、サイコロの出目は期待値が3.5だからといって3と4が最も出やすいわけではない。

正規分布 【ガウス分布】

統計学で用いられる確率分布の一つで、平均付近に分布が集中し、平均から乖離するに連れ指数的に頻度が減少していくような分布のこと。自然現象や社会現象の多くがこの分布に従うことが知られており、確率・統計を扱う上で最も重要かつ基本的な分布である。

平均値、中央値、最頻値が同一の左右対称な分布で、横軸が値、縦軸が確率となるグラフに図示すると釣り鐘のように平均付近が大きく膨らんだ形状(ベルカーブという)となる。誤差や個体差など自然に生まれる値のばらつきの多くは正規分布に従って分布する。

ある値xが出現する確率を表す確率密度関数は、平均値μと標準偏差σを用いて 1/√(2πσ)×e-(x-μ)2/2σ2 という式で表される。同じ正規分布でも平均値が異なれば確率が最大になる位置が異なり、標準偏差が異なれば平均への偏り具合が異なる。標本値を線形変換し、平均が0、標準偏差が1になるように調整した分布を「標準正規分布」という。

正規分布の重要な性質として、平均μや標準偏差σの違いによらず、σの倍数で表される区間に値が含まれる確率は常に一定であるというものがある。例えば、平均から標準偏差だけ離れた範囲(μ-σからμ+σまで)に値が含まれる確率は約68.27%、μ±2σの範囲なら約95.45%、μ±3σの範囲なら約99.73%となる。

分散 ⭐⭐⭐

分かれて散らばること。確率・統計の分野では、データの散らばり具合を分散という。IT分野では処理やデータを複数の機器などで分担することを分散処理、分散システムなどという。

統計学の分散

統計学では、あるデータ群のそれぞれの値について平均値との差を取って二乗し、その合計をデータの数で割って平均した値(二乗平均)を分散(variance)という。データ群が平均に対してどのくらい散らばっているかを表す指標として用いられる。

例えば、{10,20,30} という3つの標本の分散は平均値の20を用いて {(10-20)2+(20-20)2+(30-20)2}/3 と表すことができ、約66.7となる。{0,20,40} であれば約266.7となり、すべて平均に等しい {20,20,20} ならば分散は0となる。

分散は算出過程で値を二乗しており元の値とは次元が異なるが、分散の正の二乗根を取って次元を揃えた値を散らばりの指標として用いることがある。これを「標準偏差」(SD:Standard Deviation)と呼び、元の値と同じ尺度で散らばり具合を評価することができる。

分散処理

IT分野では、一つの処理やデータ群に対して複数の機器を動員し、分担して処理する方式を「分散処理」(distributed processing)、「分散システム」(distributed system)、「分散コンピューティング」(distributed computing)などという。

このうち、処理の前後関係に従って異なる機能の機器を連結し、それぞれが特定の工程に専念する方式を「垂直分散システム」、同じ機能の機器を並べて処理を振り分け、並行に処理する方式を「水平分散システム」という。一般には後者を指して単に分散システムと呼ぶことが多い。

標準偏差 【SD】 ⭐⭐

統計における指標の一つで、データ群のばらつき具合を表す値。この値が小さいほど平均付近にデータが集まっていることを表し、大きければ平均から外れたデータがたくさんあることを表している。

標準偏差は分散の正の平方根で、データが平均値から平均でどのくらい離れているかを表している。算出方法は、各値と平均値の差を二乗した値の和を求め、これをデータの数で割った平均のルートを取る(二乗平均平方根)。

例えば、{10,20,30} という3つの標本の標準偏差は、平均値20を用いて √[{(10-20)2+(20-20)2+(30-20)2}/3] と表され、約8.16となる。{0,20,40} ならば約16.33となり、すべて平均値に等しい {20,20,20} ならば標準偏差は0となる。

分散も散らばり具合を表しているが、元の値と平均の差の二乗の平均であるため、元の値とは次元が異なる。標準偏差はその平方根を取っているため、元の値と同じ次元となり、値自体の大きさと散らばり具合の大きさを同じ尺度で比較することができる。日本では学力試験のいわゆる偏差値を算出するのに用いられている。

クロス集計 ⭐⭐

複数の項目からなるデータの集合があるときに、そのうちの2つ(ないし3つ)の項目を組み合わせて2次元の表の形で集計すること。項目間の関係や相関、傾向などを見やすくまとめることができる。

2つの項目でクロス集計する場合、一方の項目を縦軸、もう一方を横軸として、それぞれについて選択肢を並べる。各マス目には、縦軸と横軸の選択肢を同時に満たすデータを数えて集計値として書き入れていく。

例えば、「性別」「喫煙」の2項目のアンケートがあるとき、単純集計では「喫煙○」と「喫煙×」の数を集計するが、クロス集計表では縦軸を「男性」「女性」、横軸を「喫煙○」「喫煙×」として4つの値を集計する。

さらに、飲酒についても同時に尋ね、縦軸を「男性・飲酒○」「男性・飲酒×」「女性・飲酒○」「女性・飲酒×」の4つに分解し、3項目について同時に集計することを「多重クロス集計」という。

代表的な表計算ソフトのMicrosoft Excel(マイクロソフト・エクセル)では、ロス集計機能のことを「ピボットテーブル」(pivot table)、これをグラフ化する機能を「ピボットグラフ」(pivot chart)という。

相関係数 ⭐⭐

2つのデータ系列どの程度強く連動しているかを表す値。-1から1の間の実数で表され、両者の値の変化が正比例の関係に近いほど絶対値が大きくなり、まったく連動していなければ0に近い値となる。

2つの事象に関わりがあり、一方が変化するともう一方も変化するような関係を「相関」という。一方が増えるともう一方が増える関係を「正の相関」、一方が増えるともう一方は減る関係を「負の相関」という。

相関係数は同じ数の2つのデータ系列から算出される統計量の一つで、-1から1の間の実数を取る。値が0ならば両者に相関はなく、1なら完全な正の相関、-1なら完全な負の相関がある。1または-1のときは両者の関係を y=ax+b という形の一次関数として記述することができる。

相関係数は、同数のデータ系列 (x1,x2,…,xn)(y1,y2,…,yn) から算出した共分散 sxy とそれぞれの標準偏差 sx および sy を用いて sxysxsy として求められる。これは平均 x-y- を用いて下記の式のように表される。

<$Fig:correlation-coefficient|center|false>

回帰分析

何かの結果を表す数値があるとき、原因と考えられる数値がどのような形で影響を与えているのか規則性を明らかにすること。因果関係の推定や事象の予測、シミュレーションなどのためによく行われる。

調査などで得られた様々な数値の組み合わせのうち、着目している数値(従属変数)が、他の数値(説明変数)からどのように影響を受けているかを関数の形で明らかにする。説明変数が一つの場合を「単回帰分析」、複数の場合を「重回帰分析」という。

例えば、ある飲食店のビールの売上(y)とその日の最高気温(x)についての記録を単回帰分析したところ、y=ax+c という1次関数の形で表されたとする。この関係が分かれば、天気予報を元に仕入れ量を調整することができる。降水量(z)との関係も合わせて重回帰分析することで、y=ax+bz+c という関係が明らかになれば、より精度の高い予測が可能となる。

この例では説明変数と従属変数が直線的な比例関係で表されることを仮定しており、これを「線形回帰」あるいは「直線回帰」という。物事の関係性は単純な比例関係で表されるとは限らず、x2 のような高次の項を含む多項式、指数関数、対数関数、三角関数などが含まれる場合がある。これを「非線形回帰」という。

統計値などから回帰分析を行う場合、各標本は誤差を含んで一定の範囲にばらついているため、数値計算を繰り返して関数のパラメータ(係数)を推定する。代表的な手法として「最小二乗法」がよく知られ、回帰式から得られる値と各標本の実際の値の誤差を二乗して足し合わせた値が最小になるよう係数を決定する。

回帰直線

2つのデータ系列を描画した散布図で、分布の傾向に最もよく当てはまるように引いた直線のこと。両者の関係を一次関数として近似している。

測定値などの分布に基づいて、2つの変数の関係を y=ax+b という一次関数で近似することを単回帰分析という。x を説明変数、y を目的変数と呼び、x の値から未知の y を予測・推測できるようになる。

2つの変数の関係について、横軸を説明変数、縦軸を目的変数とする散布図で表したときに、分布の様子を直線で近似したものを回帰直線という。回帰分析で求めた一次関数(回帰式)をグラフ上に描画したものである。先の方程式の a は直線の傾きを、 b はy切片を表している。

回帰直線は実際のデータを表す各点との距離がなるべく小さくなることが望ましい。この条件を満たすため、一般的には「最小二乗法」という計算法で係数 ab の値を決定する。説明変数 xi において、実測された目的変数は yi、回帰式から求めた予測値は axi+b となる。

両者の差である yi-axi-b を2乗し、各点について合計したものを残差平方和という。これが最小になるときの a および b を算出すると、xy の平均 x-y- 、標準偏差 SxSy 、相関係数 r を用いて、 b=rSySxa=y--bx- として表すことができる。

最小二乗法

調査や測定から得られたデータ系列を関数でモデル化する際、関数による理論値と実際の値の誤差の2乗の和が最小となるように関数の係数を決定する手法。

2つのデータ系列 (x1,y1),(x2,y2),,(xn,yn) があるとき、両者の関係をモデル関数 y=f(x) で表したいとする。最小二乗法は f(x) を構成する係数を決定する手法である。

x1 におけるモデル関数の値は f(x1) である一方、実際の値は y1 であるため、両者の誤差(残差という)は y1-f(x1) となる。これは他の x についても同様である。

この残差が全体でなるべく小さくなるようにするため、最小二乗法では各点の残差の2乗をすべて足し合わせ(残差平方和)、理論値と実測値の誤差の分散の推定値を求める。得られた合計値 i=1n(yi-f(xi))2 はモデル関数の係数を変数とする関数の形となるため、これを代数的に解いて各係数の値を決定していく。

具体的な解き方はモデル関数に選択した関数の種類によって異なるが、最も単純に直線的な関係を想定して一次関数 y=ax+b で表した場合、xy の平均 x-y- 、標準偏差 SxSy 、相関係数 r を用いて、 b=rSySxa=y--bx- として表すことができる。

テキストマイニング ⭐⭐⭐

定型化されていない文字情報(テキストデータ)の集まりを自然言語解析などの手法を用いて解析し、何らかの未知の有用な知見を見つけ出すこと。

「データマイニング」(data mining)の手法を非定型のテキストデータに応用したもので、自然言語の文の蓄積として集められたデータを分析し、鉱山から鉱石などを掘り出す(mining)ように、業務や製品に役立つ情報を探し出す。

目的や具体的な技術は様々だが、多くの場合、文章に形態素解析を行ってテキストを単語やフレーズに分解し、特定の表現の出現頻度やその増減、複数の表現の関連性や時系列の変化などを調べる。

これにより、知られていなかった問題点を見出したり、様々な要素や要因の間の結びつきを可視化したり(共起ネットワーク分析)、顧客や消費者の評判(肯定的か否定的か)や時系列の推移を把握したりする(センチメント分析)ことができる。

対象となるデータの例として、アンケートや報告書などに含まれる自由記述の文章、電子掲示板(BBS)やSNSの書き込み、ニュース記事、OCRでスキャンしてテキストデータ化した過去の書籍、雑誌、新聞の記事などが挙げられる。

散布図 【分布図】 ⭐⭐⭐

一つのデータが複数の量や特性の組として表される場合に、二つの値の間の関係を明らかにするために作成される図。縦軸と横軸にそれぞれ別の特性を割り当て、各データについて対応する位置に点を打って作図する。

点の分布する様子を見て、データを構成する二つの量の間に関連があるか、どのような関連があるかを知ることができる。例えば、点が右上がりの帯状に分布していれば正の相関があると分かり、(左上から)右下がりなら負の相関があると分かる。まんべんなく散らばっていれば相関が薄いか無さそうであると考えられる。

全体の傾向から大きく外れた特異点(外れ値)がどこにあるかも容易に知ることができ、これを除外して計算を行ったり、外れた理由を詳しく調べたりすることもある。また、全体に当てはまる傾向を調べるだけでなく、点の集まり具合から二つの量の関係が同じ傾向を示している項目群をグループ分け(グルーピング)するといった使い方をする場合もある。

箱ひげ図 【箱髭図】 ⭐⭐

数値データを図示するグラフの一つで、長方形の上下に線分を付け加えた図形で一つのデータ系列の分布を要約するもの。箱の上下の線分を「ひげ」になぞらえた名称である。

縦軸に量を取り、横軸方向に系列を箱ひげとして並べていく。各箱ひげは、上のひげの上端が分布の最大値、箱の上端が第3四分位数、箱の中に引かれた仕切り線が第2四分位数(中央値)、箱の下端が第1四分位数、下のひげの下端が最小値となっている。最大値や最小値は外れ値の場合もあるため、ひげの端は最大・最小から1~10%程度の値を用いる場合もある。

一つの箱ひげで一つのデータ系列の分布を直感的に把握することができる。これを系列の数だけ横に並べていくことで、系列間の分布の違いを視覚的に比較することができる。複数の異なる対象の分布を比べるために作成する場合もあれば、同じ対象の時系列の分布の変化を知るために作成することもある。

ヒストグラム 【度数分布図】 ⭐⭐⭐

データの分布を表す統計図の一つで、縦軸に値の数(度数)、横軸に値の範囲(階級)を取り、各階級に含まれる度数を棒グラフにして並べたもの。どの範囲の値が多く、どの範囲が少ないかを視覚的に表現できる。

値の出現頻度の高い階級は高い棒で、低い階級は低い棒で図示されるため、出現頻度の高低やバラつき具合を視覚的に容易に把握できる。各階級の度数を示す棒のことを「ビン」(bin)と呼ぶことがある。

すべてのビンの面積の総和が全体の度数を表しており、各ビンの面積は全体に占めるその階級の度数の割合を視覚的に表現したものとなっている。同じデータ群でも階級の幅の取り方次第でビンの形状や分布は異なるが、どのような基準で区分すべきかについて様々な方法論が提唱されている。

また、手前のすべての区間の度数を足し合わせた累計値をその区間の度数とし、これを右肩上がりの棒グラフの列で示したものを「累積ヒストグラム」(cumulative histogram/累積度数図)という。端からどの区間までが重要かを見極める場合などに利用される。

度数分布表 ⭐⭐

多数のデータを整理する手法の一つで、値を一定の幅ごとに区切った範囲に属するデータの数を数え、表の形にまとめたもの。どの範囲の値が多く、どの範囲が少ないかを一目で確認できる。

数値データの分布を調べるのに用いられるシンプルな表で、データが取りうる値を均等な幅の区間(これを階級という)に分割し、各階級に属するデータを数える。階級と属するデータの数(これを度数という)を2列の表の形でまとめる。

例えば、テストの点数を表にまとめる場合、「0~19点」「20~39点」「40~59点」「60~79点」「80~100点」といった階級に区切り、それぞれに属する人数を数えて「3人」「5人」「7人」「13人」「5人」などのように書き入れていく。

各階級の中央の値「10点」「30点」「50点」「70点」「90点」を、その階級を代表する「階級値」という。階級の幅は任意に決めてよいが、小さすぎると度数の差がつきにくく、大きすぎると度数の変化が大きすぎて分布の様子が分かりにくくなる。

度数分布表をグラフ化したものを「ヒストグラム」(histogram)という。横軸に階級、縦軸に度数を取り、各階級に度数の長さの棒(長方形)を並べて分布の様子を視覚的に表現する。複数の系列を同じグラフに描画して比較したい場合は棒の代わりに折れ線グラフで度数を表現した「度数分布多角形」(frequency polygon)が用いられる。

文字が縦あるいは横に一直線上に連なったもの。また、表(table/テーブル)や数学の行列のように縦横に整然と複数の要素が並んでいるときに、横方向・水平方向の並びのこと。縦方向・垂直方向の並びのことは列(column)という。

長い文章を紙面などに記すときに、文字を読み進める方向(縦書きの場合は縦、横書きの場合は横)に並んだ文字の連なりの一本一本のことを行(line)という。

一文が紙幅や画面の表示範囲の幅を超える場合、行の終わりの文字の続きを次行の先頭から開始する「折り返し」が行われる。段落の末尾などでは、行の途中で終わった文の右側を空白とし、次の文を次行の冒頭から始める「改行」が行われる。

表や行列の行

ソフトウェアの表示・操作画面で、碁盤目状の表の形で項目を整理する場合、縦方向に並んだ項目の連なりのことを列(column)、横方向の連なりを行(row)という。

リレーショナルデータベース(RDB:Relational Database)では、一件のデータを複数の属性(attribute)の値の組(tuple/タプル)として表現するが、この一組のデータ群を行(row)あるいはレコード(record)という。各行の同じ属性の要素を集めた集合のことは列(column)という。表の形で表したときに要素の組を横方向に、同じ属性の要素を縦方向に並べるためこのように呼ばれる。

【カラム】

同種の複数のものを規則正しく順番に並べたもの。また、表のように縦横に整然と複数の要素が並んでいるときに、縦方向や垂直方向の並びのこと。横方向や水平方向の並びのことは「行」(row)という。

表における行と列

ソフトウェアの操作画面やWebページなどで、データなどを表の形でまとめる場合に、縦方向に並んだ項目の連なりのことを列(column)、横方向の連なりを行(row)という。HTMLのtable要素では、各行のtr要素で同じ位置にあるtd要素やth要素が列を構成する。colgroup要素とcol要素で共通の属性やスタイルを指定することができる。

データベースにおける行と列

リレーショナルデータベース(RDB:Relational Database)では、一件のデータを複数の属性(attribute)の値の組(tuple:タプル)として表現するが、この属性のことや、表内のある属性の集合のことを列(column:カラム、コラム)と呼ぶことがある。

データの集合を表(table:テーブル)の形で表した時に、データの組を縦に並べて表示するが一般的であることからこのように呼ばれる。同様に、表であらわすと横の並びになる一件のデータの組のことを行(row)と呼ぶ。

データ列

プログラミングやデータ形式、データ通信などの分野では、ある同じ種類の複数のデータが順番に並んだ構造のデータを「数値列」「文字列」「ビット列」「バイト列」のように呼ぶことがある。

これは表の縦の並びの意味ではなく、日常生活で窓口に並んだ人の列のように「順に並べたもの」の意味である。英語では文字列などを “string” (ストリング)、配列などを “array” (アレイ)、終わりの決まっていない連続的なデータの流れを “stream” (ストリーム)という。

絶対参照/相対参照

表などで項目の位置を指定する方式のこと。絶対参照は全体の端(原点など)を基準とする絶対位置を、相対参照は現在選択されている項目の位置を基準に相対位置を指定する。

絶対セル参照

表計算ソフトのセル指定でワークシート内の絶対位置を指定する方式を「絶対セル参照」(absolute cell reference)という。

参照先となるセルの位置は固定されており、参照元となるセルの値を他のセルにコピーしても、常に参照先となるセルの位置は一定となる。列のみ、あるいは行のみを絶対セル参照とし、もう片方を相対セル参照とすることもできる。

Microsoft Excelでは、セル内の関数や計算式などで「$A$1」のように「$」(ドル記号)に続けて列番号(アルファベット)や行番号を記述すると絶対セル参照となる。他のソフトウェアでもこれにならって同じ記法を採用しているものがある。

相対セル参照

表計算ソフトのセル指定で現在のセルからの相対位置を指定する方式を「相対セル参照」(relative cell reference)という。

参照元となるセルの値を他のセルにコピーすると、参照先となるセルの位置も、コピー元とコピー先の位置関係に応じて変化する。列のみ、あるいは行のみを相対セル参照とし、もう片方を絶対セル参照とすることもできる。

Microsoft Excelでは、セル内の関数や計算式などで「A1」のように列番号と行番号を指定すると、それを記述したセルからの相対セル参照とみなされる。これを右隣のセルに複製すると「A2」、下隣に複製すると「B1」というように、相対的に同じ位置関係にあるセルの位置に自動的に書き換えてくれる。

絶対参照/相対参照 ⭐⭐

表などで項目の位置を指定する方式のこと。絶対参照は全体の端(原点など)を基準とする絶対位置を、相対参照は現在選択されている項目の位置を基準に相対位置を指定する。

絶対セル参照

表計算ソフトのセル指定でワークシート内の絶対位置を指定する方式を「絶対セル参照」(absolute cell reference)という。

参照先となるセルの位置は固定されており、参照元となるセルの値を他のセルにコピーしても、常に参照先となるセルの位置は一定となる。列のみ、あるいは行のみを絶対セル参照とし、もう片方を相対セル参照とすることもできる。

Microsoft Excelでは、セル内の関数や計算式などで「$A$1」のように「$」(ドル記号)に続けて列番号(アルファベット)や行番号を記述すると絶対セル参照となる。他のソフトウェアでもこれにならって同じ記法を採用しているものがある。

相対セル参照

表計算ソフトのセル指定で現在のセルからの相対位置を指定する方式を「相対セル参照」(relative cell reference)という。

参照元となるセルの値を他のセルにコピーすると、参照先となるセルの位置も、コピー元とコピー先の位置関係に応じて変化する。列のみ、あるいは行のみを相対セル参照とし、もう片方を絶対セル参照とすることもできる。

Microsoft Excelでは、セル内の関数や計算式などで「A1」のように列番号と行番号を指定すると、それを記述したセルからの相対セル参照とみなされる。これを右隣のセルに複製すると「A2」、下隣に複製すると「B1」というように、相対的に同じ位置関係にあるセルの位置に自動的に書き換えてくれる。

降順 【大きい順】

数字やアルファベット、ひらがな・カタカナ、日付、時刻、曜日など順序や方向が決まっている要素の列について、本来とは逆の順序のこと。英語の “descending order” を略した “DESC” “desc” などの略号で示されることもある。

データの並べ替え(ソート)における順序の指定などに用いられる概念で、大きい方から小さい方へ、あるいは本来の並び順における末尾側から先頭側へ「降(お)りていく」順序のことを意味する。

数字であれば9、8、7…と大きい値から小さい値へ、アルファベットであれば「Z」から「A」に向けて、カナであれば「ン」から「ア」に向けて、日付や時刻であれば未来側・新しい側から過去側・古い側に向けて並べる順序である。

一方、小さい方から大きい方へ、あるいは本来の並び順の通りに並べる順序は「昇順」(ascending order)という。「1、2、3」「A、B、C」「あ、い、う」といった本来定められた並び順のことである。

昇順 【小さい順】

数字やアルファベット、ひらがな・カタカナ、日付、時刻、曜日など順序や方向が決まっている要素の列について、本来定められた順序のこと。英語の “ascending order” を略した “ASC” “asc” などの略号で示されることもある。

データの並べ替え(ソート)における順序の指定などに用いられる概念で、小さい方から大きい方へ、あるいは本来の並び順における先頭側から末尾側へ「昇(のぼ)っていく」順序のことを意味する。

数字であれば1、2、3…と小さい値から大きい値へ、アルファベットであれば「A」から「Z」に向けて、カナであれば「ア」から「ン」に向けて、日付や時刻であれば過去側・古い側から未来側・新しい側に向けて並べる順序である。

一方、大きい方から小さい方へ、あるいは本来の並び順とは逆に並べる順序は「降順」(descending order)という。「9、8、7」「Z、Y、X」「ん、を、わ」といった本来とは逆の並び順のことである。

オートフィル

表計算ソフトなどの機能の一つで、規則性のある入力値を、選択した範囲に連続して自動的に当てはめてくれる機能。

表中のある項目(セル)に特定の値を入力して選択状態にし、そのままマウスなどのドラッグ操作で縦あるいは横に選択領域を広げていくと、新たに選択された項目に次々に連続した値が入力されていく。

例えば、1から1000までの整数を順に入力する時、一つ一つ手動で入力していくと大変だが、オートフィル機能を使うと、「1」「2」まで入力して両者をマウスで範囲選択し、端をドラッグしていくと、隣接する空白の領域に「3」「4」「5」…と次々に値を入力してくれる。

規則性はあらかじめ入力済みの項目からソフトウェア側が自動的に推定し、最初の値が「1,3,5」であれば「7,9,11…」のように埋めてくれる。数値だけでなく日付や曜日など順序性のあるデータを入力することができる。文字列など規則性が明らかでないデータの場合は既存の入力箇所のコピーを繰り返し行う(東京,大阪,名古屋→東京,大阪,名古屋,東京,大阪,名古屋…)動作となる。

AVERAGE関数 【AVERAGE function】

米マイクロソフト(Microsoft)社の表計算ソフトMicrosoft Excelのワークシートのセルに書き込むことができる関数の一つで、引数に指定した値の平均値を求めるもの。引数には複数の特定のセル、セルの範囲、値、他の関数の結果などを指定できる。

書式は「=AVERAGE(値1,値2,…)」で、列挙された値をすべて加算して値の個数で割った平均値(単純平均/算術平均)を返す。「AVERAGE(B1,C2)」のように特定のセルの値の平均を求めたり、「AVERAGE(B2,10)」のように値を直に指定することもできる。

「AVERAGE(B2:B10)」のように範囲指定すると、B2からB10までのすべてのセルの値の平均を求めてくれる。一般にはこの指定方法が最もよく用いられる。「AVERAGE(B1,C2:C5,20)」のように、これらの指定方法を任意の数だけ組み合わせてすべての値の平均を求めることもできる。

AVERAGE関数の対象とすることができるのは数値のみだが、論理値(TRUEは1、FALSEは0)や数値を表す文字列を含むデータの平均を求める「AVERAGEA関数」も用意されている。また、特定の条件を満たす値のみを対象に平均を求める関数として「AVERAGEIF関数」および「AVERAGEIFS関数」も用意されている。

CORREL関数 【CORREL function】

米マイクロソフト(Microsoft)社の表計算ソフトMicrosoft Excelのワークシートのセルに書き込むことができる関数の一つで、引数に指定した2つのデータ系列間の相関係数を求めるもの。CORRELは “correlation” (相関)の略。

2つのデータ列について、一方が上下するともう一方も同じように上下する関係を相関という。両者の動きが一致する度合いは「相関係数」によって表すことができ、0ならば両者の動きにまったく相関が無いことを、1ならば完全な正の相関(正比例)、-1ならば完全な負の相関があることを表す。

CORREL関数はワークシート上の2系列のセルの並びについて、その相関係数を算出する。「=CORREL(B2:B9,C2:C9)」のように同じ個数のセルの系列を指定し、係数を0から1の間の実数で返す。セルに文字列や論理値など数値以外が書かれている場合は無視するが、セルの個数が異なる場合はエラーとなる。

COUNTIF関数 【COUNTIF function】

米マイクロソフト(Microsoft)社の表計算ソフトMicrosoft Excelのワークシートのセルに書き込むことができる関数の一つで、指定の範囲の中から条件に一致するセルの個数を返すもの。

基本的な書式は「=COUNTIF(セルの範囲,条件)」で、指定範囲のセルの中から条件に一致するものを数え上げる。条件の記法はいくつかあり、「10」「"ABC"」のように単に値を記述すると、その値に一致するセルを数える。

文字列には「?」(任意の一文字)「*」(任意長の任意の文字列)といった任意の文字を表すワイルドカード文字を含めることができる。例えば、条件が「"?et"」であれば「set」「get」「let」などに一致し、「"*県"」であれば「秋田県」「鹿児島県」などに一致する。

条件に「B5」のようにセル参照を記述すると、そのセルの値に一致するセルの数を数える。「"<20"」のように先頭に不等号を付けることにより、「未満」(>)「より多い」(<)「以下」(>=)「以上」(<=)「以外」(<>)などの比較条件を指示できる。

MAX関数 【MAX function】

米マイクロソフト(Microsoft)社の表計算ソフトMicrosoft Excelのワークシートのセルに書き込むことができる関数の一つで、引数に指定した値の最大値を求めるもの。引数には複数の特定のセル、セルの範囲、値、他の関数の結果などを指定できる。MAXは “maximum” の略。

書式は「=MAX(値1,値2,…)」で、列挙された値の中で最も大きい値を返す。「MAX(B1,C2)」のように特定のセルの値を列挙したり、「MAX(B2,10)」のように値を直に指定することもできる。「MAX(B2:B10)」のようにセルの範囲を指定すると、すべてのセルの値の中から最大値を求める。

選択範囲に数値が一つもなければ0を返す。MAX関数の対象とすることができるのは数値のみで、論理値や文字列、空白などは無視される。論理値をTRUEは1、FALSEは0として解釈したり、数値を表す文字列を数値として扱いたい場合は「MAXA関数」を用いる。最小値を求めるには「MIN関数」または「MINA関数」を用いる。

MEDIAN関数 【MEDIAN function】

米マイクロソフト(Microsoft)社の表計算ソフトMicrosoft Excelのワークシートのセルに書き込むことができる関数の一つで、引数に指定した値の中央値を求めるもの。引数には複数の特定のセル、セルの範囲、値、他の関数の結果などを指定できる。

書式は「=MEDIAN(値1,値2,…)」で、列挙された値を大きい順あるいは小さい順に並べた際に全体の半分の位置に来る値を返す。値が偶数個の場合は中央の2つの値の平均を返す。指定したセルに数値として解釈できる文字列がある場合は数値として扱われる。

「MEDIAN(B1,C2)」のように特定のセルの値の中央値を求めたり、「MEDIAN(B2,10)」のように値を直に指定することもできる。「MEDIAN(B2:B10)」のように範囲指定すると、B2からB10までのすべてのセルの値の中央値を求めてくれる。「MEDIAN(B1,C2:C5,20)」のように、これらの指定方法を任意の数だけ組み合わせてすべての値の中央値を求めることもできる。

複数のセルや値から代表値を求める関数は他にもあり、平均値(算術平均/相加平均)を求めるにはAVERAGE関数を、最頻値を求めるにはMODE関数を利用する。

MIN関数 【MIN function】

米マイクロソフト(Microsoft)社の表計算ソフトMicrosoft Excelのワークシートのセルに書き込むことができる関数の一つで、引数に指定した値の最小値を求めるもの。引数には複数の特定のセル、セルの範囲、値、他の関数の結果などを指定できる。MINは “minimum” の略。

書式は「=MIN(値1,値2,…)」で、列挙された値の中で最も小さい値を返す。「MIN(B1,C2)」のように特定のセルの値を列挙したり、「MIN(B2,10)」のように値を直に指定することもできる。「MIN(B2:B10)」のようにセルの範囲を指定すると、すべてのセルの値の中から最小値を求める。

選択範囲に数値が一つもなければ0を返す。MIN関数の対象とすることができるのは数値のみで、論理値や文字列、空白などは無視される。論理値をTRUEは1、FALSEは0として解釈したり、数値を表す文字列を数値として扱いたい場合は「MINA関数」を用いる。最大値を求めるには「MAX関数」または「MAXA関数」を用いる。

STDEV.P関数 【STDEV.P function】

米マイクロソフト(Microsoft)社の表計算ソフトMicrosoft Excelのワークシートのセルに書き込むことができる関数の一つで、指定のデータ群から標準偏差を求めるもの。

標準偏差(SD:Standard Deviation)は統計における指標の一つで、データ群のばらつき具合を表す値である。小さいほど平均付近にデータが集まっていることを表し、大きければ平均から外れたデータがたくさんあることを表す。

STDEV.P関数は与えられたデータ群から標準偏差を求める関数で、基本的な書式は「=STDEV.P(値1,値2,…)」である。個別に値を指定する場合は255個まで記述できるが、通常は「=STDEV.P(B2:B101)」のように値が並んだセルの範囲を指定することが多い。

STDEV.P関数は与えられたデータ群を母集団全体とみなして、各値と平均値の差を二乗した値の和を求め、これをデータの数で割った平均のルートを取る(二乗平均平方根)。一方、データ群が母集団から抽出した標本である場合は、母集団の標準偏差の推定値を求める「STDEV関数」または「STDEV.S関数」を用いる。こちらは誤差の二乗の和を求めた後にデータ数より1少ない値(n-1)で割る。

SUM関数 【SUM function】

米マイクロソフト(Microsoft)社の表計算ソフトMicrosoft Excelのワークシートのセルに書き込むことができる関数の一つで、引数に指定した値の合計を求めるもの。引数には特定のセル、セルの範囲、値、他の関数の結果などが指定できる。

書式は「=SUM(値1,値2,…)」で、列挙された値をすべて加算した値を返す。SUM(B1,C2)のように特定のセル同士の和を求めたり、SUM(B2,10)のように値を直に指定することができる。SUM(B2:B10)のように範囲指定すると、B2からB10までのすべてのセルの値を合計してくれる。SUM(B1,C2:C5,20)のようにこれらを組み合わせて三項以上を合計することもできる。

ワークシート上ではマウスなどで一行あるいは一列に並んだセルの範囲を指定し、上部のメニューの「Σ」アイコンを押すと右端あるいは下端のセルに選択範囲のセルの合計を求めるSUM関数が自動で記入される。この機能を「オートSUM」という(バージョンや表示設定によってはΣの脇に「オートSUM」と記載がある)。

VAR.P関数 【VAR.P function】

米マイクロソフト(Microsoft)社の表計算ソフトMicrosoft Excelのワークシートのセルに書き込むことができる関数の一つで、指定のデータ群から分散を求めるもの。

分散(variance)は統計における指標の一つで、データ群のばらつき具合を表す値である。小さいほど平均付近にデータが集まっていることを表し、大きければ平均から外れたデータがたくさんあることを表す。

VAR.P関数は与えられたデータ群から分散を求める関数で、基本的な書式は「=VAR.P(値1,値2,…)」である。個別に値を指定する場合は255個まで記述できるが、通常は「=VAR.P(B2:B101)」のように値が並んだセルの範囲を指定することが多い。

VAR.P関数は与えられたデータ群を母集団全体とみなして、各値と平均値の差を二乗した値の和を求め、これをデータの数で割った平均を求める(二乗平均)。一方、データ群が母集団から抽出した標本である場合は、母集団の分散の推定値を求める「VAR関数」または「VAR.S関数」を用いる。こちらは誤差の二乗の和を求めた後にデータ数より1少ない値(n-1)で割る。

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