パブリッククラウド 【public cloud】 パブクラ

概要

パブリッククラウド(public cloud)とは、情報システムインフラサービスとして遠隔から利用できるようにしたクラウド環境のうち、誰でもインターネットからアクセスして利用できるもの。

データセンター事業者などが広く一般の法人や個人に提供するクラウドコンピューティング環境で、契約者はインターネットを通じて借り受けたサーバ環境を操作し、ソフトウェアを稼働させて利用者サービスを提供する。Webサービス運営などによく用いられる。

一方、企業などが自社の業務システムなどを運用するために用意する、限られた環境からのみアクセス可能なクラウドシステムを「プライベートクラウド」(private cloud)と呼び、これとパブリッククラウドを組み合わせたシステムを「ハイブリッドクラウド」(hybrid cloud)という。

パブリッククラウドは専門の事業者が大規模に運用するサーバコンピュータ記憶装置などの資源を仮想化し、各顧客が必要なときに必要なだけ割り当てるため、自前で機材を用意するよりも低コストで迅速にシステムを展開することができる。

また、運用するサービスの利用規模や需要の変動に柔軟に対応して性能や容量を増強したり縮減することできるため、固定的に設備を用意する場合に生じがちな過剰投資による損失や過小投資による機会損失を防ぐことができる。

パブリッククラウドサービスは国内外の様々な事業者が提供しているが、スケールメリットによる低コスト化や対応する技術者の多さなどから世界的な大手ネット事業者が強く、米アマゾンドット・コム(Amazon.com)社の「Amazon Web Services」(AWS)や、米グーグルGoogle)社の「Google Cloud Platform」(GCP)、米マイクロソフトMicrosoft)社の「Microsoft Azure」などがよく知られる。

(2019.7.9更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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