キャリアアグリゲーション 【carrier aggregation】

概要

キャリアアグリゲーション(carrier aggregation)とは、無線通信を高速化する手法の一つで、複数の搬送波による通信を一体的に運用する方式。携帯電話/携帯データ通信では「LTE」(4G)の追加仕様として導入され、その改良版である「LTE-Advanced」では当初から標準で利用できる。

複数の異なる周波数帯電波を同時に使用し、仮想的に単一の通信回線として利用する。データを複数経路に分散して送受信することにより、通信の高速化や安定化を図ることができる。

例えば、2つの同じ帯域幅周波数を同時に利用すれば通信速度を2倍に引き上げることができ、片方の通信状況が悪化しても、もう一方で通信を継続することができる。基地局が混雑しているときは自動的にオフにする(一つの周波数帯のみ利用する)よう運用すれば、収容能力に応じて効率的に電波を活用することができる。

帯域の組み合わせは「CA_1A-3A-42A」のように表記し、この例ではLTEバンド1、バンド3、バンド42からそれぞれ20MHz以下の帯域を一つずつ組み合わせている。バンド数の末尾の数字は「クラス」(class)と呼ばれ、Aは帯域幅20MHz以下の帯域を一つ、Bは連続する20MHz以下の帯域を2つ組み合わせて合計20MHz以下(例えば10MHz+10MHz)、Cは連続する20MHz以上の帯域を2つ組み合わせて合計40MHz以下(例えば20MHz+20MHz)を表している。

最も基本的な2波を組み合わせる「2CC CA」(2 Component Carrier CA)では2つのAクラスを、3波を組み合わせる「3CC CA」では3つのAクラスまたはAクラス+Cクラス、4波を組み合わせる「4CC CA」では2つのAクラス+1つのCクラスの組み合わせが一般的となっている。

(2024.2.17更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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