WEP 【Wired Equivalent Privacy】 WEP-40 / WEP-64 / WEP-104
概要
WEP(Wired Equivalent Privacy)とは、無線LAN(Wi-Fi)の通信を暗号化する方式の一つ。1999年に策定された規格で、Wi-Fi暗号化の最初の標準として広まったが、現在では十分な安全性が確保できなくなっている。無線通信は有線に比べ信号の傍受自体は極めて容易であるため、データを送信時に暗号化し、正規の受信者しか復号できないようにすることで電波を傍受しても内容が盗み見られないようにする必要がある。
WEPは最初の無線LAN標準であるIEEE 802.11の一部として規定されており、ストリーム暗号の一つであるRC4アルゴリズムを用いてデータを保護する。暗号鍵の長さは40ビット(運用上24ビットのランダムなデータを加えて64ビットとして用いる)または104ビット(ランダムな24ビットを加えて128ビット)が利用できる。
WEPを利用するにはアクセスポイントと端末に共通の暗号鍵(WEPキー)を設定する必要がある。40ビットWEPの場合は10桁の16進数(0~9,A~F)か5桁の半角英数字を、104ビットWEPの場合は26桁の16進数か13桁の英数字を入力する。
Wi-Fi標準の暗号化システムとして採用され、初期のアクセスポイントや端末で広く利用されたが、2000年代に入ると様々な脆弱性が発見・報告されており、現在では使用を中止すべきとされている。安全性を高めた後継規格としてWPA、WPA2、WPA3などが策定されている。
(2022.7.27更新)