PUE 【Power Usage Effectiveness】

概要

PUE(Power Usage Effectiveness)とは、データセンターなどのIT関連施設のエネルギー効率を表す指標の一つで、施設の全消費電力をIT機器の消費電力で割ったもの。

施設の消費電力全体が、コンピュータや通信機器などIT機器が消費する電力の何倍に相当するかを表す値で、空調や照明、受配電設備などIT機器以外の設備の消費電力が少ないほど値が小さくなる。

すべての電力がIT機器のためだけに使われている状態が1.0となり、この値に近づくほど電力消費効率の良いIT施設であることを意味する。一般的なデータセンターは2.0から3.0の間になると言われており、2.0を切ると効率の良い施設、3.0を超えると効率の悪い施設とみなされる。

PUEはIT機器以外の設備の消費電力が増えれば増大するが、IT機器の消費電力が減ることによっても増大する。近年ではICチップなどの電力効率や消費電力が重視されるようになり、同じ性能や台数でも古い機器より省電力なIT機器が増えている。このため、施設内の設備に変更がなくても年を追う毎にPUEが悪化しているように見える場合がある。

データセンターなど多数のIT機器が存在する施設では、機器の発する熱により機器が損傷しないようにするため、冷却に大きなエネルギーが投入される。PUEを効果的に下げるため、室内の什器などの配置を変更して空気の流れを改善したり、寒い地方に施設を設置するといった工夫が行われる。

(2020.2.1更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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