GeForce

概要

GeForceとは、米エヌビディア(NVIDIA)社の主力商品である画像処理に特化した半導体チップ(GPUGraphics Processing Unit)の製品シリーズ名。パソコン向けのグラフィックスチップとして世界的に最も普及している製品の一つとなっている。

主に一般消費者向けのデスクトップパソコンノートパソコンに内蔵されるビデオチップとして用いられるほか、デスクトップパソコンに後から追加するビデオカードの中核的な部品としてもよく採用されている。家庭用ゲーム機(初代XboxやNintendo Switch)、科学技術計算向けの高性能コンピュータGPUコンピューティング/GPGPU)などパソコン以外の機器や用途での採用例もある。

本体のマザーボードなどにあらかじめ実装される内蔵型の製品は比較的廉価で性能は中程度のものが主流で、高価で最も性能や機能が充実しているモデルは独立の拡張カード実装されて販売されることが多い。後者は主として非常に高いグラフィックス性能を必要する3DCG・映像関連のクリエーターやゲーマーなどが買い求める。

GeForceの製品名を冠した最初の製品は1999年に発売され、これまでに様々なモデル名やモデル番号の製品が送り出されてきた。現行のシリーズ構成では、最も廉価なエントリーモデルが「GeForce」シリーズ、ミドルレンジ(中級)モデルが「GeForce GT」シリーズ、ハイエンドモデルが「GeForce GTX」および「GeForce RTX」シリーズとなっている。

製品の型番は数字で表されるが、先頭の数字が製品世代を表している。2002年の4000番代(GeForce 4 Tiシリーズ)から4桁の型番が定着していたが、2008年の9000番代(GeForce 9シリーズ)の次は3桁の100番代(GeForce 100シリーズ)となった。以降は3桁が定着したが、2016年には再び4桁の1000番代(GeForce 10シリーズ)、2018年には2000番代(GeForce 20シリーズ)が登場した。

近年の製品群は各モデルで共通する中核部分の回路設計(マイクロアーキテクチャ)を採用しており、その違いで世代やシリーズを識別することも多い。歴史上の著名な科学者や数学者の名を冠した開発コードネームがつけられている。

例えば、「Fermi」(フェルミ)アーキテクチャ400/500/600シリーズに、「Kepler」(ケプラー)は600/700シリーズに、「Maxwell」(マクスウェル)は700/900シリーズに、「Pascal」(パスカル)は10シリーズに、「Turing」(チューリング)は20シリーズに、「Ampere」(アンペール)は30シリーズにそれぞれ採用されている。40シリーズは世界初のプログラマとされる「Ada Lovelace」(エイダ・ラブレース)の名を冠している。

(2018.10.27更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
ホーム画面への追加方法
1.ブラウザの 共有ボタンのアイコン 共有ボタンをタップ
2.メニューの「ホーム画面に追加」をタップ
閉じる