読み方:いきち

閾値 【threshold】 しきい値 / 敷居値 / スレッショルド

概要

閾値(threshold)とは、その値を境に、上下で意味や条件、判定などが異なるような値のこと。境界となる値。ITの分野では、電子回路の高電位と低電位の区別や、プログラミングの条件分岐などで用いられる。
閾値のイメージ画像

もとは生物学や物理学などで、ある現象や反応などが誘起される最低限の量などを指す概念だが、工学やITなど人工物を扱う分野では「警告を表示する残り容量の閾値を10%に設定する」といったように、人為的に設定された境界値などを指す場合もある。

「閾値」の「閾」の文字は音読みが「イキ」、訓読みが「しきい」とされ、心理学や生理学などでは「いきち」、物理学や工学などでは「しきいち」と読むことが多いようである。工学系では「しきい値」というひらがな表記が定着している。

電子回路の閾値

コンピュータはすべての情報を「0」と「1」を組み合わせた2進数で表すが、内部の電子回路では電位の高低を0と1に対応付けて表す。例えば、0V(ボルト)なら「0」を表し、5Vなら「1」を表すといったように設計しておき、電位を連続的に上げ下げして回路に信号を伝達する。

このとき、高電位と低電位の判断の境目となる値が閾値で、「2.5Vより上なら高電位、下なら低電位」といった判断を行う。単一の値を境にすると、その付近の電位が入力された際に誤作動や故障の危険があるため、実用上は高低を明確に区別できるように「1.0V以下が低、3.5V以上が高」といったように中間に幅を持たせることが多い。

(2025.8.6更新)

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