カレントディレクトリ 【current directory】 カレントフォルダ / current folder / ワーキングディレクトリ / working directory / 現行ディレクトリ
概要
カレントディレクトリ(current directory)とは、実行中のソフトウェアなどがストレージ(外部記憶装置)のファイルシステム中で現在位置として指し示しているディレクトリのこと。相対パスでファイルやディレクトリなどを指定する際の基準の位置となる。シェルやコマンドラインインタプリタなど主にOSへの操作を受け付けるソフトウェアが内部的に持つ状態の一つで、ストレージのファイルシステムを(UNIX系OSではストレージ以外のシステム上の資源も含む)階層構造で表したディレクトリツリーの中で、「今どこにいるのか」を表している。
利用者がツリーの根本からの絶対位置である絶対パスを指定せずにファイルやディレクトリなどを指定すると、カレントディレクトリからの相対的な位置関係を表す相対パスであると解釈される。この仕組みにより、深い階層にあるファイルなどを指定する際にいちいち長い絶対パスを毎回入力しなくても、当該ディレクトリに「移動」すればファイル名を指定するだけでよくなる。
パスの表記法には特殊な表記として、カレントディレクトリを表す「.」が用意されており(UNIX/Windows共通)、これを用いて相対パスであることを明示的に指定することができるようになっている。例えば「./sub/file.txt」という表記は、カレントディレクトリ中のsubディレクトリ中のfile.txtというファイルを指す相対パスとなる。
シェルなどにはカレントディレクトリを移動したり現在位置を表示したりするコマンドが用意されており、MS-DOSやWindows、ほとんどのUNIX系OSのシェルでは「cd」あるいは「chdir」コマンドにより別のディレクトリに移動できる。現在位置の表示はUNIX系OSでは「pwd」、Windowsでは引数なしの「cd」コマンドが用いられる。
(2018.8.9更新)