Pentium
概要
Pentiumとは、米インテル(Intel)社のCPU(マイクロプロセッサ)製品のシリーズ名の一つ。初代製品は1993年に登場し、パソコン向けのx86系CPU製品のブランド名として用いられてきた。近年では廉価版製品のブランド名として定着している。初期のPentiumシリーズ
i486シリーズの後継として登場したパソコン向けx86プロセッサ製品で、初期にはハイエンド製品として、i486シリーズの終息後はハイエンドに加えてメインストリーム製品のブランド名としても広く用いられた。
狭義のPentiumは初代の「Pentium」プロセッサを指すが、派生製品や後継製品として「Pentium Pro」(1995年)、「MMX Pentium」(1997年)、「Pentium II」(1997年)、「Pentium III」(1999年)、「Pentium 4」(2000年)などの製品シリーズが展開され、広義にはこれらを含む総称を表すこともある。
Intel Core以降のPentiumシリーズ
2006年に同社はx86系プロセッサ製品の中心的なブランドを「Intel Core」シリーズとし、「Intel Core」(初代)、「Intel Core 2」、「Intel Core i3」「Intel Core i5」「Intel Core i7」「Intel Core i9」などのシリーズを順次展開していった。
PentiumシリーズはCoreシリーズと共通の基本設計に基づく廉価版と位置づけられ、当初は「Pentium Dual-Core」シリーズとして、2010年以降は再び「Pentium」シリーズとして製品が提供された。Coreシリーズの廉価版には、かつてPentiumシリーズの廉価版だった「Celeron」シリーズもあり、PentiumはCoreとCeleronの中間的な位置付けとなった。
2017年には上位製品の「Pentium Gold」と下位製品「Pentium Silver」に再編され、GoldはCoreシリーズと共通設計、Silverは「Intel Atom」シリーズと共通設計となった。Atomは当時同社が推進していた、携帯機器や組み込み機器、超低価格パソコンなどに適した安価なx86プロセッサ製品シリーズである。
2023年に同社は再びブランド再編を行い、従来のPentiumシリーズとCeleronシリーズは「Intel Processor」シリーズに統合された。しばらくはPentium Gold/Silverの既存製品の製造・出荷が並行して継続されるものの、実質的にPentiumブランドの製品展開は終息することとなった。