GIF 【Graphics Interchange Format】 .gifファイル

概要

GIF(Graphics Interchange Format)とは、画像データ圧縮して記録するファイル形式の一つ。256色までの画像を無劣化(lossless)で圧縮することができ、図やイラストなどの画像に向いている。ファイル名の標準の拡張子は「.gif」。

データ圧縮符号化する方式と、ファイルに記録する形式(ファイルフォーマット)の両方を定めている。圧縮時に内容の改変や画質の劣化を伴わない可逆圧縮ロスレスlossless)方式を用い、モノクロ(白黒2色)から256色フルカラー1677万7216色から画像ごとに必要な色を選択)までの色を扱うことができる。

写真などの圧縮に適したJPEG形式とともに、初期のWebウェブ)で標準的に用いられる画像形式として広く普及したが、2000年代半ば以降は仕様や特徴の多くが重複する「PNG」(Portable Network Graphics)も同じ目的で広く用いられている。

画像中の色を一つ選んで透過色(背景が透けて見える)とすることができる「透過GIF」、一部のデータを受信するだけで画像の全体像を確認することができる「インターレースGIF」など様々な拡張仕様がある。

パラパラ漫画の要領で複数の静止画像を連結して簡易な動画とすることができる「アニメーションGIF」というユニークな拡張仕様があり、動画データの再生ソフトなどを組み込まなくてもWebブラウザなどで短時間の簡易な動画を表示できることから人気を博している。現在では「GIF」という用語をこのアニメーションGIFの意味で用いる例も増えている。

歴史と特許問題

最初の仕様は1987年に当時のパソコン通信大手、米コンピュサーブ(CompuServe)社によって開発・公開され、現在よく用いられるのは1990年に発表された改訂版(GIF89a)である。

圧縮アルゴリズムとして米ユニシス(Unisys)社が特許を所有していた「LZW」という方式を用いており、同社は当初、特許使用料の徴収などはわない方針だったが、広く普及すると方針を一転させ、ソフトウェア開発者にライセンス料の請求などを始めた。

これを嫌って一部のソフトウェアがGIF対応を取りやめるなど混乱が起き、代替形式として考案された特許を使用しないPNG形式開発・普及が進んだ。2003年から2004年に各国のLZW特許が失効したため、現在では再び自由に使うことができる形式となっている。

(2022.7.13更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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