ロールフォワード 【roll forward】 前進復帰 / フォワードリカバ リ
概要
ロールフォワード(roll forward)とは、データベースシステムなどに障害が発生したときの回復手法の一つで、ある時点(チェックポイント)で複製したバックアップデータを書き戻し、その後の更新データ(ジャーナル)を反映していって障害発生直前の状態に戻すこと。主に装置の破損など物理的な障害の際に用いられる。障害発生時点ですでに完了(コミット)済みのトランザクションに対して用いられる復帰手法で、直前のチェックポイントで作成された全データのバックアップを、(交換後の新しい)記憶装置に書き込み、チェックポイント後に実行された処理を記録したジャーナルファイルの内容を順番に反映させていき、トランザクションが完了した状態を再現する。
一方、障害発生時に処理途上でコミット前だったトランザクションに対しては、チェックポイント以前の変更を遡って取り消していき、トランザクション開始前の状態に戻す。この処理を「ロールバック」(rollback:後退復帰)という。
トランザクション処理は複数の処理を一体化して実行するもので、「すべて実行前」「すべて完了」のいずれかになるように制御しなければならない。ロールフォワードはトランザクション完了時の状態に、ロールバックは開始前の状態にそれぞれ復帰するもので、いずれもトランザクションの原子性(atomicity)を維持することができる。
(2024.2.1更新)