プリプロセッサ 【preprocessor】 プリコンパイラ / precompiler
概要
プリプロセッサ(preprocessor)とは、ソフトウェアの役割による分類の一つで、ある中心的な処理を行うプログラムに対して、その前処理(preprocess)を行うプログラムのこと。プログラミング言語のコンパイラの前処理を行うものが非常に有名。一方、メインの処理に対する後処理を行うものは「ポストプロセッサ」(postprosessor)という。コンパイラはプログラミング言語で記述されたソースコードを解釈してコンピュータが解釈・実行できるネイティブコードに変換するが、プリプロセッサはその下準備となるソースコードの追加や変換などの処理を担当する。
プリプロセッサへの指示はプログラミング言語本体とは別に規定された特殊な記法(プリプロセッサディレクティブ)を用いて行われる。この指示は処理後のコードからは削除され、残らないようになっている。
よく行われる処理として、外部ファイルの内容を読み込んで指定された箇所に追加(インクルード)したり、コード中の特定の文字列を指定されたものに置き換えたり(定数やマクロの展開)、コードの一部分を指定された条件に従って選択(一方を残して他方を削除)したりといった操作が挙げられる。
C言語のプリプロセッサ
プリプロセッサの利用が盛んなプログラミング言語としてC言語がよく知られている。「#」で始まる行がプリプロセッサへの指示を表し、「#include <外部ファイル名>」で指定したファイルの読み込みおよび展開、「#define 定数名 値」で定数の定義、「#define マクロ名(引数) 式」でマクロの定義が行える。
初期のC++言語やObjective-Cのように、プリプロセッサによって言語仕様を拡張するというユニークな試みも見られた。これは追加仕様がプリプロセッサ指令の形で定義されており、記述されたソースコードは前処理によってC言語による記述に変換され、Cコンパイラでネイティブコードへ変換されるというものである。
(2018.3.5更新)