SNS 【Social Networking Service】 ソーシャルネットワーキングサービス
概要
SNS(Social Networking Service)とは、人と人との社会的な繋がりを維持・促進する様々な機能を提供する、会員制のオンラインサービス。友人・知人間のコミュニケーションを円滑にする手段や場を提供したり、趣味や嗜好、居住地域、出身校、あるいは「友人の友人」といった共通点や繋がりを通じて新たな人間関係を構築する場を提供するサービスで、Webサイトや専用のスマートフォンアプリなどで閲覧・利用することができる。主な特徴
サービスにより機能や特徴が大きく異なるが、多くのサービスに見られる典型的な機能としては、別の会員を「友人」や「購読者」「被購読者」などに登録する機能、自分のプロフィールや写真を公開する機能、同じサービス上の別の会員にメッセージを送る機能、自らのスペースに文章や写真、動画などを投稿して友人などに見せる機能がある。
サービスによっては、複数の会員でメッセージ交換や情報共有ができるコミュニティ機能、イベントの予定や友人の誕生日などを共有したり当日に知らせたりしてくれるカレンダーあるいはスケジュール機能などがある。
多くの商用サービスではサイト内に広告を掲載するなどして、登録や基本的なサービスの利用を無料としているが、一部の機能を有料で提供しているサービスもある。
SNSの種類
多くのサービスはメールアドレスなどがあれば誰でも登録できるが、普及し始めた当初は人の繋がりを重視して「既存の参加者からの招待がないと参加できない」というシステムになっているサービスが多かった。
現在でも、何らかの形で参加資格を限定し、登録時に紹介や審査などが必要なサービスがある。また、参加自体が自由でも、テーマや分野などがあらかじめ設定され、関係や関心のある人の参加を募っているサービスなどもある。
企業などが従業員を対象に運用する「社内SNS」や、大学が教職員や在学生、卒業生を対象に運用する「学内SNS」もあり、業務上の連絡や情報共有に使われたり、業務とは切り離して参加者間の交流の促進のために利用されたりする。「OpenPNE」や「Mastodon」など自らSNSを開設・運用することができるサーバ向けソフトウェアもあり、これを利用したプライベートな集団内のサービスも存在する。
歴史と著名なサービス
2003年頃アメリカを中心に相次いで誕生し、国内事業者によるサービスも2004年頃から普及し始めた。世界的には、初期に登録資格を有名大の学生に絞って人気を博し、後に世界最大のソーシャルネットワークに成長した「Facebook」(フェイスブック)や、短いつぶやきを投稿・共有するマイクロブログ型の「Twitter」(ツイッター:現X)、写真の投稿・共有を中心とする「Instagram」(インスタグラム)、ビジネス・職業上の繋がりに絞った「LinkedIn」(リンクトイン)などが有名である。
日本独自のサービスとしては一時会員数1000万人を超え社会現象ともなった「mixi」(ミクシィ)などが有名だが、近年ではFacebookなど海外事業者に押され利用が低迷しており、オンラインゲーム運営・提供に業態転換するなどしている。
SNS的なサービスの広がり
近年では様々なWebサイトやネットサービス、スマートフォンアプリなどに「ソーシャルな」機能が組み込まれる事例が増えており、何がSNSで何がそうでないか明確に区別することは難しくなりつつある。
例えば、料理レシピ投稿サイトの「クックパッド」(Cookpad)や、スマートフォン利用者間でチャットや音声通話などを提供する「LINE」(ライン)などにも、集団の形成を支援するコミュニティ機能や日記の投稿・共有機能などがあり、これらのサービスをSNSの一種に含める場合もある。
SNSの功罪
SNSによって、一度繋がりの途絶えた古い友人と交流を再開したり、現実に頻繁に会うことは難しい多人数と日常的な繋がりを保ったり、身の回りに同好の士がいなくてもSNSで発見してコミュニティを形成できるなど、SNSのおかげで人間関係が充実した利用者は数多くいる。
一方で、不用意に個人情報や顔写真などを公開してしまい悪意に晒されたり、素性のよくわからない人と交流を持ちトラブルに巻き込まれたり、自分の周囲では特に問題視されなかった話がネット上で拡散されるうちに非難の書き込みが殺到してしまう(「炎上」と呼ばれる現象)など、SNSによって新たに引き起こされる問題もある。
また、SNSが様々な人の間に普及し、継続して利用する期間が長くなるに連れ、上司や家族など「望まれざる」相手とのSNS上での関係や対応に苦慮したり、知り合いの(大抵は良いことしか書かれていない)書き込みを読んで自分の身上と比較してしまったり、興味が湧かない話題でも毎回反応を迫られているように感じて精神的に疲弊する「SNS疲れ」といった問題に直面し、SNSの利用を断って離れる人も増えている。
関連用語
SNS用語辞典
関連リンク (外部サイト)
- Facebook (フェイスブック) - 米Meta Platforms社が運営する世界最大のSNS。
- X (旧Twitter) - 短文の投稿を中心とする独特のスタイルのSNS。
- Instagram (インスタグラム) - Meta Platforms社運営の写真投稿を中心としたSNS。
- mixi (ミクシィ) - かつて日本で最も普及していたSNS。
- LinkedIn (リンクトイン) - ビジネス分野に特化した世界的SNS。
- Mastodon (マストドン) - X/Twitter風のサービスを構築・運営できるオープンソースソフトウェア。
- OpenPNE (オープンピーネ) - オーソドックスなSNSを構築・運営できるオープンソースソフトウェア。
他の辞典による解説 (外部サイト)
この記事を参照している文書など (外部サイト)
- 東京都昭島市「昭島市デジタル化推進計画」(PDFファイル)にて引用 (2022年3月)
- 川崎医療福祉学会誌 31巻1号「LINE相談でのカウンセラーの反応がクライエントの評価,感情,相談継続意図に与える影響」(PDFファイル)にて引用 (2021年5月)
- 鹿児島県薩摩川内市「薩摩川内市情報化推進計画」(PDFファイル)にて引用 (2021年3月)
- 東京都立図書館協議会「都立図書館ならではのサービスを考える -保有する情報資源の一層の活用を目指して-」(PDFファイル)にて引用 (2020年12月)
- 国際地域研究学会「国際地域研究論集」第10号「LINEのビジネスモデルに関する一考察」(PDFファイル)にて引用 (2019年3月)
- 情報知識学会誌 27巻2号「お気に入りのモノを紹介するSNSの開発」(PDFファイル)にて引用 (2017年5月)
- 福岡県宗像市「第4次宗像市情報化計画」(PDFファイル)にて引用 (2015年3月)
- 北陸学院大学・北陸学院大学短期大学部研究紀要「若者のSNS利用傾向と問題点に対する対策の提案」(PDFファイル)にて引用 (2014年)
- 稲城市立図書館協議会「稲城市立図書館全体の運営のあり方について」(PDFファイル)にて引用 (2013年2月)
- 千葉大学教育学部「授業実践開発研究」第5巻「Public Relationsの考え方を取り入れた情報モラル教育のカリキュラム開発 ―学校内の問題解決を目的とした情報発信から、情報社会へ参画する態度を学ぶ―」(PDFファイル)にて引用 (2012年)
- 広島女学院大学論集 第61集「コンピュータを利用したコミュニケーションと人間関係 ──女子大学生の意識調査から──」(PDFファイル)にて引用 (2011年12月)
- 独立行政法人情報通信研究機構(NICT) 新世代ネットワーク推進フォーラム IPネットワークWG レジデンシャルICT SWG 戦略ビジョンタスクフォース「家庭生活に役立つホームネットワークの在るICT社会像の実現に向けた調査報告書」(PDFファイル)にて引用 (2011年11月)
- 大阪府大阪産業経済リサーチセンター「知識集約型ビジネス支援サービス業(KIBS)に関する調査研究」(PDFファイル)にて引用 (2011年3月)
- 日本学習社会学会年報 3巻「インターネット上の情報共有化による新しい学びの様相 ―外国にルーツを持つ子どもを支援する人々の取り組みから―」(PDFファイル)にて引用 (2007年9月)
- 日本総合研究所 内閣府請負調査「『NPO情報ポータルサイト』の構築に向けた基礎調査 報告書」(PDFファイル)にて引用 (2006年3月)
- 東京大学 大学院情報学環 ベネッセ先端教育技術学講座 セミナーリポート「ケータイ・ネット・テレビ ~メディアとこどもの今とこれから~」にて引用 (2005年1月)