バズワード 【buzzword】
概要
バズワード(buzzword)とは、IT業界などの流行語のうち、何か新しい重要な概念を表しているようだが、その実、明確な定義や範囲が定まっておらず、人によって思い浮かべる内容がバラバラであったり、あるいは宣伝文句的に都合よく引用されるような新語や造語、フレーズなどのこと。単に流行語であるというだけでなく、使っている当人たちはかっこいい、あるいは、先進的な(またはそれに類する肯定的な)イメージを込めて使っているが、意味が曖昧で、何がそれに含まれるのか、含まれないのかが人によって大きく異なり、結局それが何なのか誰に聞いてもよくわからない、という状態を表している。
英語の “buzz”は、(蜂などが)ブンブンうなる、(群衆などが)ガヤガヤいう、ざわめき、騒音、などの意味を持つ単語で、文脈によっては、はっきり聞き取れない、耳障りだ、といった含意がある場合もある。
もともと厳密な定義や正しい意味のあった語が、商業上の思惑などから拡大解釈されて様々な文脈で使われバズワード化してしまう場合がある。逆に、バズワードとして広まったものが業界団体などによって明確な定義を与えられる場合もある。
バズワードの例
(日本の)IT業界で流行したバズワードとしては、「ニューメディア」(1980年代)、「ネオダマ」(1990年代)、「マルチメディア」(同)、「ビジネスモデル」(2000年代前半)、「ユビキタス」(同)、「ロングテール」(2000年代後半)、「Web 2.0」(同)、「SNS」(同)、「クラウド」(2010年代前半)、「ビッグデータ」(同)、「スマート○○」(同)、「人工知能」(2010年代後半)、「機械学習」「ディープラーニング」(同)、「IoT」(同)、「仮想現実」「拡張現実」(同)、「フィンテック」(同)、「仮想通貨」「暗号通貨」(同)、「ブロックチェーン」(同)、「メタバース」(2020年代)、「データサイエンス」(同)、「デジタルトランスフォーメーション」(同)、「生成AI」(同)などがある。
「バズワード」という表現やその概念はIT業界以外ではあまり使われないが、それに該当するような言葉自体は「女子力」「マイナスイオン」「Z世代」「ブラック企業」「グローバリゼーション」など毎年のように新しい流行語として現れてはいる。