Wiki【ウィキ】
概要
複数人が共同でWebサイトを構築していく利用法を想定しており、サイト閲覧者が簡単にページを修正したり、新しいページを追加したりできるようになっている。誰でも編集できるようオープンに運用することも、アカウント登録やパスワード設定で編集権限を特定の利用者に制限することもできる。
Wiki記法
Webページは通常、HTMLなどのマークアップ言語やCSSなどのスタイル言語で内容や見栄えの記述を行うが、利用者側にこれらの言語の知識がなくても編集ができるよう、「Wiki記法」と総称される記号を組み合わせた簡易な整形書式が用意されている。これを文章中に埋め込むことでレイアウトやスタイルの指定ができる。
具体的な記法の種類や用法はWikiのシステムごとに異なるが、例えばHTMLで見出し設定のタグを用いて「<h1>大見出し</h1>」のように記述する箇所を「= 大見出し =」のように書いたり、リンク設定のタグを用いて「<a href=“http://www.example.com/”>外部リンク</a>」のように記述する箇所を「[http://www.example.com/ 外部リンク]」のように書くなど、簡単に覚えて書くことができるよう配慮されている。
主な用途と事例
Webブラウザで開いたページをそのまま簡単に編集できる手軽さと、サイトの構成が柔軟で内部リンクでページ間を容易に関連付けられる特徴から、様々な閲覧者が参加して情報や資料を集積していく情報収集型サイトとして運用されることが多い。
最もよく知られた成功例は誰でも閲覧・編集が可能なオープンなオンライン百科事典プロジェクトの「Wikipedia」(ウィキペディア)で、あまりにも有名なためにこれを略して「Wiki」(ウィキ)と呼ぶ人が多くいるほどである。他にも、何らかのテーマや対象について閲覧者に広く情報提供を呼びかけるオープンなWikiサイトのことを俗に「まとめWiki」などという。
歴史
1995年にアメリカの著名なソフトウェア開発者ウォード・カニンガム(Ward Cunningham)氏が「WikiWikiWeb」というWebサイトで使っていたプログラムがWikiの原型となった。同氏がこれを公開したことから、多くのWikiクローンプログラムが作成され、様々な環境に移植された。
多くの著名なWikiソフトウェアはオープンソースソフトウェアとして公開・配布されており、簡単に入手して導入することができる。ちなみ、「Wiki」という言葉はハワイ語の「Wikiwiki」が語源で、「速い」「急ぐ」「形式張らない」といった意味がある。
「Wiki」の関連用語
他の用語辞典による「Wiki」の解説 (外部サイト)
- ウィキペディア「Wiki」
- imidas 時事用語事典「Wiki」
- Web担当者Forum 用語集「Wiki」
- ITmedia エンタープライズ 情報システム用語事典「Wiki」
- 日本インタラクティブ広告協会 インターネット広告基礎用語集「Wiki」
- NTT西日本 ICT用語集「wiki」
- 情処用語辞典「Wiki」
- Programming Place Plus 用語集「Wiki」
- デージーネット 用語集「wiki」
- TechTerms.com (英語)「Wiki」
本ページを参照・引用している文書・論文など (外部サイト)
- 茨城大学教育実践研究 31巻「情報科教師教育のためのWikiの活用 ―― プレゼンテーションを重視した災害支援と模擬授業を例に ――
」(PDFファイル)にて引用 (2012年9月)
- 科学技術振興機構「情報管理」50巻2号「デジタル情報保存のためのメタデータ:現状と課題
」(PDFファイル)にて引用 (2007年5月)
- 専修大学 大学院社会知性開発センター 言語・文化研究センター「ことばの普遍と変容」Vol.1「デジタルアーカイブのWeb公開に向けて -デジタルアーカイブに関連する各種情報技術の概観-
」(PDFファイル)にて引用 (2006年3月)
