GaAs 【ヒ化ガリウム】 gallium arsenide / ガリウム砒素

概要

GaAs(ヒ化ガリウム)とは、ガリウムとヒ素が一対一に結合した無機化合物で、化合物半導体の有力な材料の一つ。ガリウム砒素と呼ぶのは半導体業界だけの慣例で、化合物名としてはヒ化ガリウムが正式である。

ICチップ基板ウェハ)の材料としてはシリコン(Si:ケイ素)単結晶が最も普及しているが、シリコンにない特性を求めて化合物半導体が用いられることがあり、GaAsはその最も有名な例の一つである。

GaAsはシリコン結晶に比べ電子移動度が約5倍と極めて高く、抵抗率が高い(半絶縁性基板)ためリーク電流が少なく、発光素子(LEDレーザーダイオード)としても利用でき、熱に強いという特性がある。

マイクロ波半導体やフォトニクス、LED、太陽電池などに採用例が見られ、磁気に敏感なため磁界を検知するホール素子としてモーター部品などに用いられることもある。製造や加工が難しくシリコンウェハより高価なため、汎用論理回路のような用途には向かない。

単体の毒性は必ずしも高くないが、加熱などによりヒ素が化学変化すると強い毒性を生じることがあるため、廃棄する際は有毒廃棄物として一般ごみとは区分して管理する必要がある。

(2018.11.12更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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