QWERTY配列

概要

QWERTY配列とは、コンピュータなどに文字を入力するキーボード装置の標準的なアルファベット配列の一つで、英字部分の左上端から右へ順にQ、W、E、R、T、Yの文字が並んでいるもの。コンピュータ用の一般的なキーボードでは、これを中心として上下左右に数字や記号などのキー修飾キーなどを配置する。

英字を3段に分けて配列し、上段が左から順に「Q W E R T Y U I O P」、中段が「A S D F G H J K L」、下段が「Z X C V B N M」となっている。2段目、3段目はそれぞれ一つ上の段より約半文字分ずつ右にずれて始まるため、「Z」はほぼ「W」の下にある。

起源

QWERTY配列は19世紀に当時のタイプライター用の配列として考案されたもので、19世紀末の段階で既にタイプライター業界で事実上の標準として広く普及したため、その後発明された電信機(テレタイプ)やコンピュータでも最初からキーボードはQWERTY配列で作られた。

なぜこのような配列になったのかは諸説ありはっきりしない。「装置内部で各文字から伸びるアームがなるべく干渉しないように連続して出現しやすい文字同士を遠ざけたから」だとも、「なるべく右手と左手が交互に打鍵するようにして入力速度を向上させるため」だったとも、「モールス符号の受信オペレータ入力しやすい配置にした」のだとも言われる。

標準

ANSI米国国家規格協会)やJIS日本産業規格)によるキー配列の標準規格もQWERTY配列に基づいて規定されている。JISキーボードでは英数字・記号のキーに仮名文字を追加しており、「Q W E R T Y」にはそれぞれ「た て い す か ん」が対応付けられている。

ラテンアルファベットのキー配列事実上の標準として全世界で広く普及しているが、同じラテン文字を使用する国でも言語によって微妙に配列が異なる場合がある。フランス語圏ではQとA、WとZが入れ替わった「AZERTY」配列が、ドイツ語圏や中欧の一部などではYとZが入れ替わった「QWERTZ」配列が一般的となっている。

DVORAK配列

1932年に、QWERTY配列よりも合理的なキー配列として「DVORAK配列」が提唱された。オーガスト・ドヴォラック(August Dvorak)氏が提唱したもので、英文の文字の出現頻度の統計を元に、最も誤りが少なく、高速に入力でき、疲労の少ない配列として提案された。

上段から順に「P Y F G C R L」「A O E U I D H T N S」「Q J K X B M W V Z」となっており、中段および上下の中央に頻度の高い文字が配されている。現在でも愛好家が利用することはあるものの、QWERTY配列を置き換えて普及するには至っていない。

(2024.4.3更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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